【ワシントン川瀬裕也】トランプ米大統領は11日、イランがホルムズ海峡の全面的な航行再開の条件として、米国に制裁解除や戦争被害の補償などを要求していることに対し、「われわれがホルムズ海峡を完全に支配している」と述べ、交渉の主導権は米側にあるとの認識を強調した。
トランプ氏は記者団に対し、イラン情勢について「非常にうまくいっている」と説明。その上で、「他の誰でもない、われわれだけがホルムズ海峡を完全に支配している」と述べ、海峡封鎖を交渉材料に譲歩を迫るイラン側をけん制した。
中東メディアなどによると、イランは、米国による軍事行動や威嚇の停止、米軍の中東地域からの撤収、対イラン制裁の解除、戦争によって生じた損害への補償などを米側に要求している。イラン最高国家安全保障会議のモフセン・レザイ事務局長は11日、米国がこれらの要求を受け入れない限り、海峡を「開放しない」と述べた。
これに対し、トランプ氏はイラン側の要求について「それは良い考えだ」と皮肉交じりに述べ、逆にイランが過去の戦争や攻撃などで死傷者への補償を行うべきだと主張した。双方が要求を突きつけ合う形となり、海峡再開に向けた交渉は一段と不透明感を増している。
トランプ氏は現在、イランへの大規模な軍事攻撃を控える一方、海上封鎖や経済制裁を通じて圧力を維持する姿勢を示している。イランも海峡の再開を交渉カードとして米国から譲歩を引き出す構えで、オマーンを介した協議の行方が焦点となっている。







