【ワシントン川瀬裕也】トランプ米大統領は7月30日、パレスチナ自治区ガザを実効支配してきたイスラム組織ハマスなどの武装解除に向け、「歴史的な合意」に達したと自身のSNSで発表した。武装解除は複数の段階に分けて実施されるとしており、「恒久的な平和と安全保障に向けた画期的な一歩だ」と強調した。

トランプ氏によると、自身が議長を務める国際組織「平和評議会」と、エジプトの首都カイロで協議していたハマスとの間で合意が成立した。対象にはハマスだけでなく、ガザ地区で活動する全ての武装組織が含まれるとしている。
合意は、トランプ政権が進めるガザ和平計画の一環。武装解除の進展に合わせてイスラエル軍が段階的にガザから撤収し、国際安定化部隊(ISF)とパレスチナ警察が治安維持を担う構想だという。ガザの統治は、平和評議会と連携する新たなパレスチナ人主体の行政組織に移管する。
武装解除には、武器の回収に加え、地下トンネルや武器庫、兵器製造施設の解体などが含まれる見通し。米メディアによると、米当局者は、履行状況を段階ごとに検証する「条件付きの合意」だと説明しており、完了までには数カ月から1年程度を要する可能性がある。
英BBCによると、ハマス幹部は同日、同局の取材に対し、組織が武装解除に同意したことを認めた上で、近く正式な声明を発表するとの見通しを示した。
ただ、合意が実際に履行されるかには不透明感が残る。ハマス側は武装解除をイスラエル軍の撤収や軍事作戦の停止と結び付けており、武器をイスラエル側に引き渡すのではなく、パレスチナ人主体の行政組織の管理下で保管することを想定している。ハマス交渉団のガジ・ハマド氏も、イスラエル軍の撤収前に武装解除を進めることはないとの立場を示している。
一方、イスラエル側も慎重な姿勢を崩していない。イスラエル政府当局者は、提示された案について、ハマスの完全な武装解除やガザの非軍事化を保証する内容になっていないとして、不満を示しているとの現地報道もある。武器の処分方法やイスラエル軍撤収の順序を巡り、双方の主張にはなお隔たりがある。






