【ワシントン川瀬裕也】カナダで相次ぐ大規模な山火事の煙が米国へ流入し、米北東部や中西部で深刻な大気汚染が広がっている。米当局は住民に不要不急の屋外活動を控えるよう呼び掛けており、ニューヨークや首都ワシントンなど広範囲で濃いもやが発生した。

カナダでは現在、900件以上の山火事が発生しているとされ、特にオンタリオ州を中心とする火災の煙が気流に乗って米国へ流入している。米環境保護局(EPA)の大気質指数(AQI)は一部地域で「極めて健康に悪い」または「危険」水準に達した。
煙の影響は米北東部を中心に広がり、視界が著しく悪化した。微小粒子状物質(PM2.5)の濃度上昇を受け、各州は子供や高齢者、呼吸器疾患や心疾患のある人に対し、屋外での運動を控えるよう注意を促している。
トランプ米大統領は17日、自身のSNSで「カナダは森林や低木を適切に管理しておらず、米国は不健康で危険な空気に侵されている」と主張。「これは意図的な怠慢だ」とカナダ政府を批判し、大気汚染による米国の損失を「カナダに課している関税に上乗せすべきだ」と表明した。
地元メディアによると、カナダ側はこれに反発している。オンタリオ州のフォード州首相は、山火事は異常な乾燥や高温などが重なった大規模災害だと強調し、トランプ氏の批判を「全く受け入れられない」と非難。消火活動に全力を挙げていると説明した。
米気象当局は、北東部の大気汚染は週末にかけて改善へ向かうとの見通しを示しているが、カナダでは依然として多数の山火事が続いており、風向き次第では再び煙が米国へ流入する可能性があり、米国で開催中のサッカー・ワールドカップ(W杯)への影響も懸念されている。






