トランプ政権は、米国の商船・艦艇建造能力を大幅に増強し、中国に後れを取った現状を逆転させる方針だ。ホワイトハウス行政管理予算局(OMB)のボート長官は13日、ワシントン・タイムズ「スレット・ステータス」主催の安全保障フォーラムで、「過去数十年間にわたり船舶建造を停滞させてきた硬直的なやり方を改め、レーガン政権下の1980年代に見られた建造ペースを取り戻さなければならない」と述べた。

会合にはボート氏のほか、連邦上院議員や国防総省高官らが参加し、トランプ大統領が掲げる「ゴールデンフリート(黄金艦隊)」構想について議論した。これは米国の造船能力と海軍戦力を近代化し、拡大する意欲的な計画だ。
議会では2027会計年度の1兆5000億㌦規模の国防予算案が審議されている。ボート氏は、政権がOMB内に新たな造船担当部署を設置し、25年4月に署名された大統領令「米国の海洋覇権の回復」の実施への関与を強化したと説明した。
この日の会合「インドパック2026 海軍優勢―造船、自律システム、指揮統制」では、ゴールデンフリート構想と米海軍力の将来が主要テーマとなった。
会合は、パデュー大学が教育パートナーを務め、防衛企業のゴビニ、ハンファ・ディフェンスUSA、レオナルドDRS、L3ハリス・テクノロジーズ、ロッキード・マーティンが協賛した。人工知能(AI)を活用したデータ分析企業オブビアントが予算分析を担当し、造船、自律システム、指揮統制分野の今後の支出見通しを示した。
講演者には、海軍省のロボット・自律システム調達責任者レベッカ・ガスラー氏、海軍省最高技術責任者ジャスティン・ファネリ氏、共和党のトッド・ヤング上院議員、海軍研究所のランディ・クルーズ司令官(大佐)、防衛大手企業の幹部らが名を連ねた。
シンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)の上級研究員で元海軍少将のマーク・モンゴメリー氏は、米造船業界は人材不足や調達システムの問題に加え、「正しいことをするより何もしない方を選ぶ人々」によって苦しめられていると指摘した。
近年、中国海軍は艦艇総数で米国を上回っている。中国が約370隻を保有しているのに対し、米国は約295隻とされる。ただし、遠距離への戦力投射能力では依然として米国が優位に立っている。
それでも艦艇数の差は深刻な問題とされている。この差を縮めるため、トランプ政権は27年度予算で海軍艦艇の造船・改修費として658億㌦を要求している。オブビアントの分析によると、海軍の年間造船予算は今後5年間のうち4年間で600億㌦を超える見通しだ。
共和党のフィッシャー上院議員は基調講演で、「艦艇や潜水艦への需要は建造能力を上回っている。一方、中国の造船能力はトン数ベースで米国の約230倍だ」と指摘した。
上院軍事委員会に所属するフィッシャー氏は、空母や潜水艦など原子力艦艇を維持するため、新たな造船所を建設すべきだと訴えた。(ワシントン・タイムズ特約)






