トップ国際北米LGBT「プライド」勢いに陰り 保守派、伝統的家族観祝う月に

LGBT「プライド」勢いに陰り 保守派、伝統的家族観祝う月に

 6月はLGBTの権利を啓発するための「プライド月間」だが、これにうんざりしている人々に朗報がある。各地で「6月」が変わってきているからだ。アラバマ州では「強い家族月間」となった。アーカンソー州とユタ州では「貞節月間」、インディアナ州とテネシー州では「核家族月間」が公式の名称となっている。

ワシントンの米連邦最高裁前で、LGBT(性的少数者)権利拡大運動の象徴である虹色の旗を掲げる市民=2020年6月15日(AFP時事)
ワシントンの米連邦最高裁前で、LGBT(性的少数者)権利拡大運動の象徴である虹色の旗を掲げる市民=2020年6月15日(AFP時事)

 こうした共和党寄りの州に加え、トランプ政権は2年連続で6月を「『タイトル9』月間」と位置付けている。タイトル9は1972年6月に成立した教育改正法の一部で、教育分野での性差別を禁止している。

 リッチー教育次官補(公民権担当)は1日の声明で、「6月の1カ月間、女性たちが何十年もかけて勝ち取った公民権保護と、現代および将来の女性や少女のためにタイトル9の理念を守るトランプ政権の強い決意に光を当てる」と述べた。

 リッチー氏はプライド月間には触れなかったが、その意図は明確だった。共和党や保守派は「プライド」を受け入れることはせず、6月をLGBT運動ではなく、伝統的な家族観を祝う月に変えようとしている。

 ミラー下院議員(共和党、イリノイ州)は、6月を「家族月間」と定め、下院は「もはやプライド月間を認めない」と宣言する決議案を提出した。

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 ミラー氏は3日の声明で、「6月を家族月間と認めることで、われわれは『プライド』という虚構を退け、代わりに神による永遠かつ完全な計画をたたえる。本当に国家を再建したいのであれば、その基盤である家族を守り、支え続けるために団結しなければならない」と語った。

 これらの動きは、米国内でプライド月間への支持がピークを過ぎた可能性を示している。

 企業はプライド月間関連商品の販売やイベント協賛、広報活動を縮小している。その流れを加速させたのが、2023年のバドライト騒動だった。メーカーのアンハイザー・ブッシュはトランスジェンダーのインフルエンサー、ディラン・マルバニー氏との提携後、市場シェアを大きく落とした。

 大手ディスカウントストア、ターゲットも、女性を自認する男性向けの「(男性器を隠せる構造の)タックフレンドリー」ビキニへの反発を受け、23年にプライド関連商品の展開を縮小した。ペプシコ、マスターカード、小売り大手ウォルマートなども関連イベントへの支援を縮小した。

 LGBTジャーナリストを育成する「クィアメディアの未来」プログラムの特別研究員ジャック・ウォーカー氏は、LGBT向け雑誌「アウト」で5日、「数年前までは、虹色のロゴやプライド関連商品は業界を問わず企業の至る所で見られた。しかし、LGBTの権利に対する世論の支持が低下し、LGBTコミュニティーが全国で政治的攻撃にさらされる中、多くの企業はかつての積極支援から後退した」と指摘した。

 これらは、政治家や企業が世論を主導しているというより、世論の変化に追随していると見るべきだろう。

 プライド月間は1999年、当時のクリントン大統領が6月を「ゲイ・レズビアン・プライド月間」と定める宣言を出したことで連邦レベルの認知を得た。その後もバイデン前政権など民主党政権がこの慣行を継続した。

 トランプ大統領はプライド月間に関する声明を出していない。就任直後には国務省が「ワンフラッグ政策」を発表し、米大使館で掲揚可能な旗を指定した。その対象に虹色のプライド旗は含まれていない。(ワシントン・タイムズ特約)

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