トップ国際北米米、中露の影響拡大を警戒 「裏庭」で強硬策―ベネズエラ攻撃

米、中露の影響拡大を警戒 「裏庭」で強硬策―ベネズエラ攻撃

3日、ニューヨークの米麻薬取締局(DEA)事務所で係官らに連行されるベネズエラのマドゥロ大統領(中央)(ホワイトハウスのX=旧ツイッター=より)(AFP時事)
3日、ニューヨークの米麻薬取締局(DEA)事務所で係官らに連行されるベネズエラのマドゥロ大統領(中央)(ホワイトハウスのX=旧ツイッター=より)(AFP時事)

 【ワシントン山崎洋介】トランプ米政権は「麻薬テロ」への関与を理由にベネズエラのマドゥロ大統領を拘束したが、その背後には、中国やロシアが「西半球」への影響力を強めてきたという地政学的な懸念がある。米国は長年、中南米を「裏庭」と位置付け、安全保障上の観点から重視してきた経緯があり、今回の強硬策も、中露の影響を排除する狙いがあるとみられている。

 「独裁者マドゥロの下で、ベネズエラは外国の敵対勢力をますます受け入れるようになり、米国民の生命を脅かす攻撃的兵器を取得していた」。トランプ氏は記者会見でこう述べ、同国への外部勢力への影響拡大に強い警戒感を示した。

 欧米諸国は、2018年や24年の大統領選で不正があったなどとして、ベネズエラへの制裁を強化してきた。その空白を埋めるように、大量の石油を輸入する中国、軍事支援を行うロシアといった外部勢力が経済・軍事の面でマドゥロ政権への関与を深めたとされる。今回の攻撃には国際法上の懸念も伴うものの、政権が断行したのは、こうした外部勢力の浸透への危機感が高まっていたためだ。

 トランプ氏は会見で、南北米大陸への欧州の介入に反対した「モンロー主義」に言及し「200年以上続く外交原則であるモンロー主義に沿うものだ」と説明。中露を念頭に、今回の作戦をその延長線上に位置付けた。

 トランプ政権は先月公表した「国家安全保障戦略」でもモンロー主義に触れ、「西半球における優越的地位を回復する」と明記。今回の作戦はその本気度を示すもので、「中国とロシアに対し、米国が自国の利益に合う安全保障秩序を守る意思を示す明確なシグナルだ」(アレクサンダー・グレイ元大統領次席補佐官)。

 かつてベネズエラの石油産業は米国企業が主導して発展させてきたが、反米・社会主義路線を掲げた当時のチャベス政権は07年に石油産業を全面国有化し、エクソンモービルなど米企業の資産を接収したという経緯がある。トランプ氏は会見でこれについて「歴史上最大級の米国資産の略奪」と批判し、今後は米石油企業がベネズエラの生産回復への投資に取り組む用意があるとした。

 今後、米国主導でベネズエラの石油生産が進めば、巨額の融資や石油取引を通じて同国経済に影響力を及ぼしてきた中国にとっては、大きな打撃となる可能性がある。

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