トップ国際北米米名門大、左派方針見直し 資金停止受け和解相次ぐ

米名門大、左派方針見直し 資金停止受け和解相次ぐ

昨年4月、米ニューヨーク市のコロンビア大学キャンパス内に設けられた親パレスチナ派の野営地(UPI)
昨年4月、米ニューヨーク市のコロンビア大学キャンパス内に設けられた親パレスチナ派の野営地(UPI)

トランプ米政権が反ユダヤ主義などを巡り大学への補助金停止措置などで圧力をかける中、名門ブラウン大学は7月30日、トランスジェンダー方針なども含む広範な是正措置を講じることで、同政権と和解した。労働開発団体に5000万㌦を支払うことも約束した。これはコロンビア大学が同月23日、政府に約2億㌦を支払うことで和解したことに続くもの。こうした動きが他の大学にも広がるか注目される。(ワシントン山崎洋介)

ブラウン大学は4月、キャンパス内の反ユダヤ主義対策が不十分などとしてトランプ政権により約5億㌦の連邦研究資金を凍結されていた。今回の合意により、補助金は再開されることになる。

ホワイトハウスによると、ブラウン大学は「入学選考や大学プログラムにおいて不法な人種差別を行わない」ことに同意。また性別は「男性」と「女性」の二つのみというトランプ氏の大統領令を女子スポーツや大学プログラム、施設利用などに適用するほか、ユダヤ人学生のキャンパス環境の改善も約束した。一連の左派的な方針を見直す、包括的な内容となっている。

合意についてトランプ氏は自身のSNSに、「反ユダヤ主義や反キリスト教などはもはや存在しない。ウォーク(人種や性別などの差別に敏感なこと)はブラウン大学において正式に死んだ」と成果を強調した。

一方、コロンビア大は昨年春にキャンパスで親パレスチナの抗議活動が激化し、一時講堂が占拠されるなどして、大きな注目を集めた。同大は3月以降、身元を隠す目的でのマスク着用の禁止、中東研究部門に対する管理強化など、トランプ政権の要求に同意してきた。

先月23日の和解では、反ユダヤ主義的な嫌がらせから学生を守れなかったとされる同大への公民権訴訟を解決するため、政府に2億㌦の罰金を支払うことで同意した。また採用において人種、肌の色、性別、出身国を考慮に入れないことや、「女子だけのスポーツや更衣室」を提供することも決まった。

トランプ政権はこの合意が今後の青写真となることへの期待を示していた。マクマホン教育長官は、合意は「真理探究、公平な評価、建設的な議論への約束を新たにすることで、米国民の信頼を取り戻そうと願うエリート大にとってのロードマップ」と呼んだ。

米名門大学にトランプ政権の圧力に「屈する」動きは他にもあり、ペンシルベニア大学は先月1日、トランスジェンダー選手の女子競技への出場を禁止することで政権と合意した。また、トランスジェンダーの競泳選手リア・トーマスさんの記録を取り消し、影響を受けた女子選手に謝罪した。

かつては男子として出場していたトーマスさんは、女子として参加するようになってから、2022年の全米大学体育協会(NCAA)大会で優勝するなどして、論争を招いていた。トランプ政権はこれが男女の教育機会の平等を定めた教育改正法第9編に違反するとして、連邦資金の停止などを警告していた。

こうした中、今後の対応に注目が高まるのがトランプ政権が補助金の停止や留学生受け入れ停止措置などで圧力を強めてきたハーバード大学だ。同大は、政権と法廷闘争を繰り広げるなど、対立姿勢を鮮明にしてきた。

一方、トランプ氏は6月20日、「今後1週間で取引が発表される可能性が高い」と期待を示していた。またニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は先月28日、同大が法廷闘争を解決するために5億㌦の和解金を支払う可能性があると報じた。

学生紙ハーバード・クリムゾンによると、同大のガーバー学長は教員に対し、トランプ氏との5億㌦の取引は検討しておらず、裁判を通じて解決すると語った。民主党やリベラル派の間からは学問の自由擁護のためとして、ハーバードが政権と和解することに反対する声も強く、今後どう展開するかは予断を許さない。

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