トップ国際北米トランプ氏、アフリカ5カ国首脳と会談 政策を転換、鉱物資源確保  中国の経済覇権拡大に対抗

トランプ氏、アフリカ5カ国首脳と会談 政策を転換、鉱物資源確保  中国の経済覇権拡大に対抗

9日、アフリカ5カ国の首脳とホワイトハウスで会談するトランプ米大統領(奥の列、左から3人目)(UPI)
9日、アフリカ5カ国の首脳とホワイトハウスで会談するトランプ米大統領(奥の列、左から3人目)(UPI)

トランプ米大統領は9日、アフリカ5カ国の首脳とホワイトハウスで会談し、対アフリカ政策を援助から貿易へ転換することを表明した。中国が圧倒的なプレゼンスを増す中、アフリカ大陸へのアメリカの関与の仕方は仕切り直しを迫られている。(長野康彦)

今回訪米したのは、リベリア、モーリタニア、セネガル、ギニアビサウ、ガボンの首脳で、西アフリカと中央アフリカの大西洋に面した国々。5カ国はいずれもマンガン、金、ダイヤモンド、鉄鉱石、リチウム、コバルトなどの豊富な天然資源を保有している。

トランプ氏は「わが政権は相互利益となる経済発展の努力を通じて、アフリカとの友好関係強化に取り組む」と語り、「援助から貿易へシフトする」ことを表明した。

アフリカ5カ国の首脳は、トランプ氏の世界各地での和平への取り組みを称賛。記者からの質問に答える形で、トランプ氏のノーベル平和賞受賞を支持すると表明した。5月に大統領執務室で行われた南アフリカのラマポーザ大統領との会談では、南アで白人農民虐殺が起きているとして、トランプ大統領がラマポーザ大統領を追及し緊張する場面もあったが、今回は終始穏やかな会合となった。

トランプ政権が早期に重点を置くと表明している分野としては、米国の重要鉱物資源へのアクセス確保、テロの脅威への対抗、そして中国の経済覇権拡大への対抗の三つが挙げられる。

トランプ政権は、アフリカ中部で紛争が続くコンゴ民主共和国(DRC、旧ザイール)と隣国ルワンダ間の仲介に乗り出し、両国は先月、ワシントンで和平協定に調印した。DRC東部では、ルワンダの支援を受けているとされる反政府武装勢力が主要都市ゴマを掌握するなど、政府軍との戦闘を続けながら支配地域を拡大していた。合意には、双方が武装勢力を支援しないことや、コンゴ側へ越境しているルワンダ軍部隊の撤退などが盛り込まれている。

DRCは世界有数の重要鉱物およびレアアース(希土類)の埋蔵量を誇る国で、この地域の和平合意は、米国の鉱物資源へのアクセス確保に大きなメリットとなる。ワシントンで今回調印された和平協定には、米国に鉱物資源を提供するという明確な約束、共有インフラ開発に対する米国の投資保証も含まれている。

サハラ砂漠の南の縁に広がるサヘル地域はテロの温床とされる地域で、米アフリカ軍のマイケル・ラングレー司令官は英BBCのインタビューで、「テロリストの新たな目的の一つは、西アフリカ沿岸へのアクセスを確保すること。沿岸へのアクセスを確保できれば、密輸、人身売買、武器取引を通じて資金を調達することができる。これはアフリカ諸国を危険にさらすだけでなく、脅威が米国沿岸に及ぶ可能性も高める」と警鐘を鳴らしている。今回のアフリカ5カ国はサヘル地域から大西洋へ抜ける通り道となっており、安全保障上の観点からもここを米国が押さえたい狙いもありそうだ。

米軍は現在、約6500人をアフリカに派遣しており、アフリカ大陸全土に13の米軍基地と、17の臨時施設を置いているとされる。トランプ政権になって今後米軍のアフリカ戦略は縮小する見込みで、すでにホワイトハウスの国家安全保障会議の独立したアフリカ部門は解散され、中東・北アフリカ部門に統合されると報じられている。

ラングレー氏は、米国の不在を利用する中国と軍事的チャンスと捉えるロシア両国の、アフリカに対する野心についても警告している。

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