
【ワシントン山崎洋介】米西部ロサンゼルスで、トランプ政権の不法移民摘発をきっかけとした抗議活動が、一部暴徒化したことを受け、同市のバス市長は10日、市中心部に夜間外出禁止令を出した。
バス氏はこれまで抗議活動は「平和的」だとし、政権の取り締まり強化を批判してきたが、事態の悪化に対応を迫られた形だ。
抗議活動は一部の暴徒が車を燃やし、警察官に投石するなど激化している。ロサンゼルス市警は同日、197人を逮捕した。
バス氏は「市中心部で落書きが横行し、数多くの企業、建物の被害が著しい」と報告。9日夜、23件の店舗が破壊と略奪を被り、外出禁止令発令に至った。外出は午後8時から翌朝6時まで禁止され、数日間続く見通し。
一方、同日ノースカロライナ州で演説したトランプ大統領は、「カリフォルニアで目撃しているのは、外国の旗を掲げた暴徒らによる、平和や公共の秩序、国家主権に対する全面攻撃だ」と非難。暴徒らへの資金提供について、司法省が調査しているとも述べた。