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【ワシントン山崎洋介】米ハーバード大学名誉教授の国際政治学者で、知日派のジョセフ・ナイ氏が6日、死去した。同大が7日に発表した。88歳だった。
ナイ氏は、国際学者として、文化や価値観、外交などを通じて他国を魅了し味方に付ける「ソフトパワー」の概念を提唱した。
ナイ氏は1964年にハーバード大大学院政治学の博士号を取得直後に同大教授に就任。同大の行政・政治学大学院であるケネディスクールの学長を95~2004年まで務めた。
カーター政権では、1977~79年に国務省で安全保障援助・科学技術担当の次官代理、クリントン政権では94~95年に国防次官補など要職を歴任。核不拡散の取り組みや日米関係の強化を推進した。
4月に亡くなった共和党のリチャード・アーミテージ国務副長官とともに超党派の政策提言「アーミテージ・ナイ報告書」を昨年まで6回まとめ、日米関係にも影響を与えてきた。2014年には旭日重光章を受章した。
今年誕生した2期目のトランプ政権には批判的で、トランプ氏の下で米国が衰退していると指摘。同氏がグリーンランドやパナマ運河を自国のものにしたい考えを示したことについて、「米国を第一に考えているというより、むしろ米国だけのことを考えている」と述べた。