トップ国際北米「米国の復活」宣言 ウクライナ侵攻終結へ意欲 トランプ氏 初の議会演説

「米国の復活」宣言 ウクライナ侵攻終結へ意欲 トランプ氏 初の議会演説

4日、ワシントンの米連邦議会で開かれた上下両院合同会議で演説するトランプ大統領(AFP時事)

【ワシントン山崎洋介】ドナルド・トランプ米大統領(共和党)は4日夜(日本時間5日午前)、連邦議会の上下両院合同会議で2期目、初となる演説を行った。バイデン前政権からの政策転換を強調し、「米国は復活した」「アメリカンドリームは止められない」と宣言。また「黄金時代は始まったばかり」とし、さらなる改革の推進を誓った。また、ロシアのウクライナ侵攻について、「無意味な戦争を終わらせる時だ」と述べ、停戦合意に意欲を示した。

演説でトランプ氏は1月20日の就任以降、「43日間で、ほとんどの政権が4年または8年間で達成する以上のことを成し遂げた」と強調。これまで100近い大統領令に署名、連邦政府全体にわたる「多様性、公平性、包括性(DEI)政策の横暴を終わらせた」などとし、バイデン前政権による左派的な政策からの転換をアピールした。

ウクライナ情勢については、ゼレンスキー大統領から、停戦交渉に応じる旨の書簡を受け取ったと明らかにし、謝意を表明。また、ロシア側からも「和平の準備への強いシグナルを受け取った」と述べ、停戦交渉開始に期待を示した。

関税については、相互関税を4月2日に発動すると表明し、「他国が米国に課す関税と、同じ関税を米国も課す」と述べた。欧州連合(EU)、インド、中国などを名指しし現状、「非常に不公平」な関税が課されているとした。関税によりわれわれは「何兆㌦(何百兆円)でも得ることができ」「前代未聞の雇用を創出するだろう」と主張した。

バイデン前政権下で急増した不法移民問題については、「就任以来、米国史上、最も広範な国境と移民の取り締まりを開始し、不法越境者の数を過去最低水準にした」と強調。「メディアや民主党の友人たちは、国境を守るには新たな法律が必要だと言い続けたが、本当に必要としていたのは新しい大統領だけだった」とも皮肉った。

また実業家のイーロン・マスク氏が率いる政府効率化省の新設にも言及し、「納税者の税金について、目に余る浪費を終わらせる」と表明。ジェンダーや気候変動問題に関する「無駄遣い」の実例を紹介しながら、マスク氏を称賛し、議場の2階席にいた同氏を紹介する場面もあった。

演説は約1時間40分に及び、米メディアによると歴代最長だった。演説中、議場では共和党の議員がたびたび立ち上がり歓声や拍手を送った一方、民主党議員の多くは座ったままで、プラカードを掲げて抗議する姿も目立ち、十数人は退席もした。

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