トップ国際北米中国の影響力は脅威 米国務長官 パナマ運河巡り警告

中国の影響力は脅威 米国務長官 パナマ運河巡り警告

2日、パナマ運河を視察するルビオ米国務長官(中央)(AFP)

【ワシントン山崎洋介】ルビオ米国務長官は2日、中米パナマの首都パナマ市でムリノ大統領と会談し、パナマ運河への中国の影響について脅威だとし、改めなければ必要な措置を講じると警告した。ムリノ氏は、米国の懸念に理解を示すとともに、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」から離脱する方針を示した。

国務省によると、ルビオ氏は、ムリノ氏に対し「トランプ大統領は中国共産党がパナマ運河地域に対して影響力を及ぼす現状が脅威であり、パナマ運河の恒久的中立性を定めた条約に違反していると予備的に判断した」と伝えた。直ちに改められなければ、必要な措置を講じると警告した。

パナマ運河は1914年に米国によって建設され、99年にパナマに全面返還された。その後、パナマは2017年に台湾との100年以上の外交関係を断ち切って中国と外交関係を樹立するなど、中国に接近。トランプ米政権は特に、香港に拠点を置く企業が運河の出入り口近くの二つの港を運営していることを問題視している。

ムリノ氏は会見後の記者会見で、トランプ氏が運河の管理権返還を求めていることについて、「パナマの主権は議論の対象外だ」と強調。一方で中国の影響に対するトランプ氏の懸念にも理解を示し、香港企業に対してパナマ政府が監査を行っていると説明した。また、中国による一帯一路に関し、2017年に交わした覚書を更新しないと明言し、早期終了も検討する考えを示した。

パナマ運河を巡ってトランプ氏は2日、記者団に対し、「パナマに与えられた運河を中国が運営している」と批判。「われわれは運河を取り戻す。さもなければとても強力なことが起こるだろう」とけん制した。

今回が初の外国訪問だったルビオ氏は、会談後に運河も視察した。同氏は会談で、トランプ政権が最優先改題とする不法移民問題でも協力を強化する重要性を強調。ムリノ氏も不法移民の強制送還への協力拡大に前向きな姿勢を示した。

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