トップ国際北米「中国の侵略抑止」強調 ヘグセス氏公聴会 米国防長官候補

「中国の侵略抑止」強調 ヘグセス氏公聴会 米国防長官候補

【ワシントン山崎洋介】トランプ次期米大統領の閣僚人事の指名承認手続きが米上院で14日始まり、国防長官に指名されたピート・ヘグセス氏が公聴会に臨んだ。同氏は、米軍の再建に取り組み、「中国からの侵略を抑止する」と強調した。一方、民主党議員からは同氏の女性暴行疑惑や飲酒問題をめぐる厳しい質問が浴びせられたが、応答に大きな失言はなく、承認される見通しが高まっている。

ヘグセス氏は同盟・友好国と協力し、「共産主義中国からのインド太平洋地域での侵略を抑止」しながら、ロシア・ウクライナ戦争などを念頭に「戦争を責任を持って終わらせ、資源をより大きな脅威に集中させる」とした。大陸間弾道ミサイル(ICBM)、戦略原子力潜水艦、戦略爆撃機による核戦略の三本柱を近代化し、最新技術の導入を積極的に推進していく意向も示した。

同氏はまた、国防総省に「戦士の精神を取り戻す」とも強調し、「戦闘力や実力主義、高い基準」に焦点を当て、米軍を再建する取り組みへも意欲を示した。

バイデン政権下で推進された多様性プログラムにより、米国は白人が有色人種を虐げる邪悪な差別国家とされている、などと保守派は批判していた。そうしたプログラムは「根こそぎ取り除く」と誓った。

民主党議員からは、ヘグセス氏が「女性は戦闘任務に就くべきでない」と述べた以前の発言が問題視され、厳しい質問が相次いだ。ヘグセス氏は、男性と同じ基準を満たす条件で、女性が戦闘任務に従事できるとの立場に軌道を修正、女性は「尊厳、名誉、敬意を持って公正に扱われる」と述べた。

女性暴行疑惑については、「完全に調査され、私は完全に潔白となった」と主張。飲酒問題については「匿名による中傷」だと訴えつつ、明確に否定しない場面もあった。

公聴会後、これまで態度を明確にしていなかったアーンスト上院議員(共和党)が支持の表明に回るなど、与党からの支持を固めつつあり、承認の見通しは高まっている。

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