米議会が報告
新型コロナウイルスに関する米下院特別小委員会は2日、「世界中で数百万人を死亡させた新型コロナウイルスは、中国の研究室から流出した可能性が高い」と結論付けた調査報告を公表した。
報告書は、感染拡大への連邦・州政府の対応、ウイルスの発生源、ワクチン接種への取り組みなどについて検証。特に、米国民110万人が死亡した緊急事態に対し、米政府のあらゆるレベルで不手際があったと非難している。
中国の武漢ウイルス研究所からの「流出説」については、米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長(当時)が強く否定していた。しかし流出の起源について世界保健機関(WHO)はじめ科学者の間でさまざまな見解があり、いまだ世界的な合意には至っていない。
小委員会は、研究室流出説が「最も可能性が高い」理由として、①新型コロナの症例から見て、感染は人間へのただ一つの感染時点に遡ることができる②武漢研究所の過去の行動③2019年秋に科学者らがかかった原因不明の病気④5年間の調査にもかかわらず自然由来の候補がない―を挙げた。
新型コロナの起源については、米国内でこれまで米エネルギー省や共和党下院議員らの報告でも「研究所流出説」が支持されてきた。