【ワシントン山崎洋介】米大統領選は5日朝(日本時間同日夜)、東部の州を皮切りに投票が始まった。各種世論調査によれば、共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(60)は大接戦を演じている。両候補は4日、勝敗を分ける激戦州で最後の訴えを行った。開票は5日夜に始まるが、大勢判明には数日かかる可能性もある。
大統領選は、全米50州と首都ワシントンに割り振られた選挙人538人の過半数(270人)を獲得した候補が勝利となる。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」(RCP)が集計した各種世論調査によると、4日時点での全米平均支持率はハリス氏が48・7%、トランプ氏は48・6%で拮抗(きっこう)。激戦州7州のうち、5州はトランプ氏、2州はハリス氏がリードしているが、いずれも僅差となっており、予断を許さない。
この中でも東部ペンシルベニア、中西部のミシガンとウィスコンシンは「ブルーウォール」と呼ばれ、大統領選において、伝統的に民主党が強いとされる州だ。このうち一つの州でもトランプ氏が勝利すれば、当選に大きく前進することから、激しい攻防が繰り広げられてきた。
4年ぶりに大統領への返り咲きを目指すトランプ氏は4日、ペンシルベニア州レディングで、「われわれはこの時を4年間待ち続けてきた。明日は、投票に行かねばならない」と呼び掛けた。その上で「カマラは破壊したが、私は修復する」と訴えた。この日、トランプ氏は同州の2カ所のほか、ノースカロライナ州とミシガン州でも集会を開催した。
ハリス氏は同日、ペンシルベニア州の4カ所で選挙戦を展開。同州フィラデルフィアで「投票は誰もが行う必要がある。選挙結果を決めるのはあなた方だ」と強調した。集会には歌手のレディー・ガガさんなど有名人が応援に駆け付けた。
選挙情報を発信するフロリダ大の集計によると、4日までに8200万人以上が期日前投票を済ませた。激戦州のジョージア州やノースカロライナ州では、投票数が過去最高を記録した。
5日は連邦議会の上下両院議員選も実施される。