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ハリス氏の恐るべき初インタビュー

エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ

事前に収録し大幅に編集
質問に答えず明らかなウソも


エルドリッヂ研究所代表、政治学博士

ロバート・D・エルドリッヂ

8月29日、米大統領選に立候補しているカマラ・ハリス(副大統領)と、彼女の副大統領候補のティム・ウォルツ(ミネソタ州知事)がCNNのインタビューに応じたことは、読者の記憶に新しい。非常に不透明なプロセスでジョー・バイデン(大統領)の後継者に選ばれて以来、40日ぶりの報道陣とのインタビューだった。

このインタビューは、6月下旬に行われたバイデンと当時共和党の有力候補だったドナルド・トランプ(前大統領)との討論会のような大失敗だった。彼女のパフォーマンスは、バイデンのそれと同様、正しくさまざまな批判を巻き起こした。

逆効果のメディア回避

主な争点の一つは、ライブではなく事前に収録されたインタビューの形式だった。トランプを含む批評家たちは、このスタイルが自発的で潜在的に挑戦的な質問から候補者たちを守ることになったと主張している。

放送中、CNNはインタビューが生中継であったと画面の下のバナーで伝えたが、実際はそうではなかった。それだけでなく、ジョージア州のどこか、照明の乏しい部屋で行われたインタビューはカットされ、編集され、後に放送された。放送された内容より長いカットを公開すべきだ。

このインタビューが録画されたものであったことは、もう一つの大きな批判を浮き彫りにした。つまり、ハリス陣営が必要以上にメディアを避けていることだ。しかし、それは逆効果だった。皆、インタビューに注目し、その内容が良くないというのが、ほとんどの人のコンセンサスとなった。また、ハリスがメディアとの直接の関わりを避けているとの批判を煽(あお)ることになった。

これはもっともな指摘だ。大統領候補がメディアを避けるのは異例だ。メディアは、候補者の問題に対する立場や、質問されたときにどう対処するかを知る必要のある有権者に代わって、基本的に候補者に質問をするために存在するのだから。政治家は答える義務がある。

ワシントンで2024年フェニックス賞授賞式ディナーでスピーチするカマラ・ハリス副大統領(2024年9月14日 写真:UPI)

親民主党のメディア(CNN、しばしばクリントン・ニュース・ネットワークと呼ばれる)がインタビューを許可され、同じように親民主党のインタビュアー、ダナ・バッシュがそれを行ったことは驚きではない。

以前の拙論で書いたように、彼女の前夫は中央情報局(CIA)の元参謀長として「ハンター・バイデン・ラップトップ隠蔽(いんぺい)事件」に直接関与していた。事件によって、バイデンが辛うじて当選したことが後で判明した。

CNNは民主党と事前に質問を共有し、民主党はそれを求めてきた経緯がある。今回そうなったかどうかは不明だが、ハリスとウォルツが準備していたように見えたケースもあった。

にもかかわらず、バッシュは難しい質問をした。実際、質問はさほど難しくはなかったが、ハリスもウォルツもインタビュー中に回答を避けたり、明らかなウソをついたりしたため、バッシュはジャーナリストが質問に対する答えが得られないときにすべきこととして、追及せざるを得なかった。

このようなやりとりのせいで、インタビューは非常に悪い方向に進んでしまった。興味深いことに、インタビューの多くがカットされたため、一般視聴者が見たバージョンが放映された“良い”部分とみなされた。であれば、悪い方は最悪だったかもしれない。

いずれにせよ、放送されたバージョンは短過ぎた。質問は深みに欠け、候補者の政策を十分に探ったり、差し迫った国家的問題を取り上げたりするものではなかった。その結果、このインタビューは有権者に情報を提供するための純粋な試みというよりは、コントロールされた広報活動であったという懸念につながった。

このような懸念があるにもかかわらず、スタッフがインタビューの調整をうまくやったようには見えない。部屋は暗く、テーブルは小さ過ぎた。しかも、ハリスの席は低過ぎて、ウォルツの隣にいる彼女が小さく見えた。大統領らしくない。

スタッフの離職率97%

また、大統領らしくないのは、彼女がウォルツと一緒にインタビューを受けたことだ。彼女のスタッフは恐ろしくてアドバイスができないのだろう。ハリスはスタッフの離職率が高いことで有名だ。97%とか。つまり、彼女はアドバイスを受け入れないか、意地悪で独裁的な、働くには最悪なパワハラ上司だということだ。これは悪いリーダーの兆候であり、赤信号だ。(敬称略)

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