「労働者第一」の国築く ウォルズ副大統領候補が演説 米民主党大会

21 日 、 シ カ ゴ で 開 か れ た 米 民 主 党 全 国 大 会 で 副 大 統 領 候 補 指 名 受 諾 演 説 を 行 う テ ィ ム ・ ウ ォ ル ズ ・ ミ ネ ソ タ 州 知 事 ( 山 崎 洋 介 撮 影 )

【シカゴ(米イリノイ州)山崎洋介】11月の米大統領選に向けた民主党全国大会は3日目の21日、副大統領候補に選ばれた中西部ミネソタ州のティム・ウォルズ知事(60)が指名受諾演説を行った。中西部の労働者層からの支持拡大を担うウォルズ氏は、「労働者が第一とされ、医療と住居が人権である」国を築くと強調。「われわれは後戻りしない」と共和党候補のトランプ前大統領(78)との対決姿勢を明確にした。

全国的には知名度が低いウォルズ氏は、人口400人の小さな農村で育った生い立ちや、陸軍州兵、高校教師、フットボールコーチを経験してきたことに触れ、庶民性をアピール。会場の聴衆は「コーチ・ウォルズ」と書かれたプラカードを掲げて声援を送り、盛り上げた。演説に先立ち、ウォルズ氏が指導したフットボールチームのメンバーが登壇する演出もあった。

銃規制を巡っては「私は退役軍人でありハンターだ。議会の共和党議員の大半よりも射撃がうまかった」と、下院議員時代のエピソードを紹介。 その上で、「私は(武器を所持する権利を認める)憲法修正第2条を信じるが、われわれの第一の責任は子供たちの安全を守ることだ」と述べ、規制強化を主張した。

ウォルズ氏は、トランプ氏に対し「リーダーは、一日中、他人を侮辱したり、責めたりして過ごさない。リーダーは仕事をするものだ」と批判。トランプ氏に勝利することで、「新たなページをめくる」準備ができていると訴えた。

ウォルズ氏は知事として、左派色の強い政策を推進しており、不法移民にも運転免許を与え、大学の授業料を無料にする法案に署名したほか、子供への性別適合手術を支援した。トランプ陣営はウォルズ氏について「過激な左翼」などと批判しているが、同氏は約20分の演説の中で、こうした政策について触れることはなかった。

この日は、クリントン元大統領やペロシ元下院議長ら党の重鎮も演説。2028年の大統領候補として取り沙汰され、副大統領候補に名前が挙がっていたペンシルベニア州のシャピロ知事(51)やブティジェッジ運輸長官(42)も民主党大統領候補のハリス副大統領とウォルズ氏への支持を訴えた。

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