【ワシントン山崎洋介】米民主党の全国大会が19日、中西部イリノイ州シカゴで開幕する。7月にバイデン大統領が大統領選からの撤退を表明後、急遽(きゅうきょ)同党候補に選出されたハリス副大統領(59)は、共和党候補のトランプ前大統領(78)との差を縮め、一部世論調査では僅差でリードしている。大会では、党内の結束を示すことで、11月の大統領選に向け、さらに弾みをつけられるかが注目される。
米メディアによると、大会初日の19日夜にバイデン氏が演説し、政権の実績を訴えるとともに、トランプ氏を「民主主義の脅威」などと批判し、ハリス氏への支持を改めて呼び掛ける。このほか、オバマ元大統領、ビル・クリントン元大統領とその妻で元国務長官のヒラリー・クリントン氏らも大会期間中に登壇する。
副大統領候補のミネソタ州知事のウォルズ氏(60)は21日夜、ハリス氏が22日にそれぞれ指名受諾演説を行う。通常は大会初日に大統領候補が正式指名されるが、今回、民主党はオンライン形式での代議員投票によって6日にハリス氏を指名している。
メイン会場は、米プロバスケットボール協会(NBA)シカゴ・ブルズの本拠地であるユナイテッドセンター。大会期間中、約5千人の代議員と約1万5千人のメディア関係者を含め5万人以上の参加者が訪れると予想されている。同党は、若い有権者を引き付けるため、大会の映像をソーシャルメディアの「TikTok(ティックトック)」やインスタグラム、ユーチューブなどを通して配信する予定だ。
大会期間中は、会場近くで、親パレスチナ団体などによる数万人規模の大規模デモが計画されている。昨年11月にイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘が始まって以来、親パレスチナ派による抗議活動が過熱していることから、大会に混乱をもたらす可能性も懸念されており、警察当局は厳重な警備体制を敷き対応する方針だ。