【ワシントン山崎洋介】11月の米大統領選に向け、民主党の候補にハリス副大統領(59)が6日、正式に指名された。ハリス氏は副大統領候補に、中西部ミネソタ州のワルツ知事(60)を指名。両氏は同日、激戦州となる東部ペンシルベニア州で演説し、大統領選に向け本格始動した。
ハリス氏は同日夜、ワルツ氏と共に同州フィラデルフィアで演説し、ワルツ氏について「われわれが一緒に築く、明るい未来に光を当てている」と指摘。人工妊娠中絶を権利として擁護し、また銃規制強化に取り組んだことをたたえた。
ワルツ氏は中西部ネブラスカ州出身で、陸軍州兵や高校教師、フットボールのコーチなどを経験。連邦下院議員を経て、2019年からミネソタ州知事を務めた。
下院議員時代は中道寄りだったが、知事就任後は、左派的な政策推進で知られた。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙によると、ワルツ氏は知事として、不法移民に運転免許や健康保険加入を認めた。また不法移民を含め、家計収入が8万㌦未満の学生の学費無償化を支援。増税を進めたほか、子供への性別適合手術を支援した。
ワルツ氏指名を受け、共和党のトランプ前大統領の陣営は、ハリス氏が「危険なほどリベラル、弱腰で、失敗政策をさらに強化しようとしている」と批判。副大統領候補のバンス上院議員も、ハリス氏は「党内の最も急進的な人々に屈した」とこき下ろした。