【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)山崎洋介】米共和党の全国大会が15日、米中西部ウィスコンシン州のミルウォーキーで開幕し、ドナルド・トランプ前大統領(78)を、11月の大統領選の候補として正式に指名した。これに先立ちトランプ氏は、副大統領候補にJ・D・バンス上院議員(39)を充てると発表した。
2日前の銃撃事件で負傷したトランプ氏は、右耳にガーゼを当てた姿で党大会に登場。会場に向けて何度か拳を振り上げ健在ぶりをアピールした後、バンス氏と固く握手を交わした。
トランプ氏はバンス氏を選んだ理由について、自身のSNSに投稿し、「熟考に熟考を重ね、他の多くの素晴らしい人材を考慮した結果、米副大統領に最もふさわしい人物は、偉大なるオハイオ州のJ・D・バンス上院議員であると判断した」と説明した。
バンス氏は中西部オハイオ州出身。2016年に出版した回想録「ヒルビリー・エレジー」は、「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」に暮らす労働者階級の悲惨な日常を描きベストセラーとなった。バンス氏の起用は、労働者階級の有権者からのトランプ氏支持を固めるのに役立つ可能性がある。
バンス氏は16年の大統領選の際にトランプ氏を公然と批判していたが、その後、同氏の外交、貿易政策などを理由に支持するようになった。22年の中間選挙では、トランプ氏の支援を受けて上院議員に当選した。
11月の大統領選で再選を目指すバイデン大統領は同日、記者団に「(バンス氏は)トランプ氏のクローン」だと主張。両者の間に「違いは見つからない」と述べ、バンス氏をトランプ氏と結び付けて批判した。
党大会初日では、2429人の代議員による投票が行われ、トランプ氏が過半数を獲得して正式に同党の大統領候補に指名された。バンス氏は17日、トランプ氏は18日にそれぞれ指名受諾演説を行う予定となっている。