撤退圧力の中、単独会見
高齢不安払拭に至らず

【ワシントン山崎洋介】大統領選からの撤退圧力に直面するバイデン米大統領(81)は11日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での単独記者会見で、「私が政権を担当するのに最もふさわしいと信じている。そして、私は勝つために最も適任だと思う」と述べ、高齢不安の払拭に務めた。しかし、ハリス副大統領を、自らのライバルであるトランプ前大統領と取り違えて「トランプ副大統領」と述べるなど、肝心なところでミスを犯し、懸念払拭には至らなかった。
バイデン氏は、代わりに大統領候補になることが取り沙汰されるハリス氏の能力について問われた際、「彼女に大統領になる資格があると思わなければ、『トランプ副大統領』を副大統領には選ばなかっただろう」と言い間違えた。その後も間違いに気づく様子はなかった。
トランプ氏はこれに反応し、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で「よくやった、ジョー!」と皮肉った。
バイデン氏は会見の数時間前には、ウクライナのゼレンスキー大統領を紹介する際、ロシアの「プーチン大統領」と言い間違えるミスを犯した。この失言はソーシャルメディアで広まるなど、イメージに打撃となった。
バイデン氏は、先月下旬のトランプ氏とのテレビ討論会で噴出した高齢不安を払拭するため、昨年11月以来となる単独記者会見を1時間近くにわたって実施。記者からは、高齢不安と11月の大統領選を継続するべきかについての質問が相次いだ。
「トランプ氏を打ち負かすことができる他の人々もいるが、ゼロから始めるのは大変だ」と述べ、大統領選まで4カ月を切る中、候補者を差し替えるには時間が足りないと指摘した。また、認知症検査については、医師が勧めれば受けると約束した。
失言を除けば、バイデン氏の受け答えはおおむね安定しており、米メディアからは「バイデン氏を決定的に救い出すようなことも、逆に彼の運命を決定付けるようなこともなかった」(政治専門紙ヒル)と評価された。
ただ演説直後、民主党のジム・ハイムス下院議員は「できるだけ強い候補者」が必要だとして、バイデン氏の撤退を求めた。その後、エリック・ソレンセン下院議員も同様の呼び掛けを行い、米メディアによると撤退を求めた16人目の下院議員となった。





