トランプ氏免責、一部認める 米最高裁 大統領選に向け追い風

米連邦最高裁判所=7月1日(UPI)

【ワシントン山崎洋介】米連邦最高裁は1日、トランプ前大統領(78)が、2020年大統領選の結果を覆そうとしたとして起訴された裁判を巡り、大統領在任中の「公的行為」に限って免責されるとの判断を下した。起訴の対象が公的行為に当たるかについては、連邦地裁に審理を差し戻した。これにより、11月の大統領選前に判決が出ない見通しとなり、返り咲きを目指すトランプ氏にとって大きな追い風となった。

トランプ氏は昨年、20年大統領選で国家を欺き、有権者の権利侵害のために共謀した、などとして四つの罪状で起訴された。この裁判を巡り、トランプ氏側は「弾劾裁判で有罪とならない限り刑事訴追されない」と主張してきた。連邦地裁、高裁はトランプ氏の免責特権を否定したが、最高裁は公的行為に限り免責を認めた。

最高裁の決定を受けトランプ氏は、ソーシャルメディアへの投稿で「憲法と民主主義のための大きな勝利だ。米国人であることを誇りに思う」と称賛。ホワイトハウスで会見したバイデン大統領は、「危険な前例だ」と批判。その上で「米国人は、トランプ氏が権力を維持するために暴力を行使したことを容認できるのか、判断しなければならない」と訴えた。

米国の歴史上、最高裁が刑事裁判で大統領経験者への免責特権を認めた初のケースとなった今回の判断には、判事9人のうち保守派6人が賛成、リベラル派3人が反対した。

ロバーツ最高裁長官は多数派の意見として、大統領が退任後に政敵から刑事訴追される可能性に言及し、「免責がなければ、元大統領に対する起訴が日常茶飯事になる可能性がある」と強調。

一方、リベラル派のソトマイヨール判事は反対意見で、大統領が「何らかの形で公権力を行使した場合、政敵の暗殺を命じたり、権力を維持するために軍事クーデターを企てたりしても免責とされ得る」と主張した。ロバーツ氏はこうした見方に対して、「今回の判断とは全くかけ離れた、背筋の凍るような運命論」と反論している。

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