Home国際北米トランプ氏が「先勝」 第1回TV討論 バイデン氏、高齢不安を露呈

トランプ氏が「先勝」 第1回TV討論 バイデン氏、高齢不安を露呈

7 日 、 米 ジ ョ ー ジ ア 州 ア ト ラ ン タ で 、 大 統 領 選 の 第 1 回 候 補 者 テ レ ビ 討 論 会 の ス テ ー ジ に 立 つ バ イ デ ン 大 統 領 ( 右 ) と ト ラ ン プ 前 大 統 領 ( A F P 時 事 )

【ワシントン山崎洋介】11月の米大統領選に向けた民主党のバイデン大統領(81)と共和党のトランプ前大統領(78)による1回目の討論会が27日夜(日本時間28日午前)、南部ジョージア州アトランタで行われた。

両氏は経済、人工妊娠中絶、不法移民、外交政策をめぐって論戦を交わしたが、バイデン氏は時折、意味が不明瞭な発言をするなど、くすぶっていた高齢不安を露呈した形となった。選挙まで4カ月余りという異例の早期開催となった最初の直接対決だったが、トランプ氏「先勝」の見方が広がった。

論戦でトランプ氏は、バイデン政権になってから急増した不法移民問題を繰り返し取り上げ、攻勢をかけた。トランプ政権の厳格な国境管理政策から転換したバイデン政権の対応について、「わが国には歴史上、安全な国境が存在した。彼はそれをそのままにしておくべきだった」と批判。バイデン氏が犯罪者やテロリストに「国境を開いた」と主張した。

一方、バイデン氏は、トランプ氏について「有罪判決を受けた重罪犯」と強調。また2021年1月6日に連邦議会議事堂乱入事件を起こしたトランプ氏の支持者らをトランプ氏が「愛国者」と呼んだことについてバイデン氏は、「ドアを壊して窓を割り、オフィスを占拠し、机をひっくり返し、銅像を倒しても、その人たちが愛国者だというのか。いい加減にしろ」と非難した。

現役大統領として最高齢のバイデン氏は、再選に向け高齢不安を払拭したかったが、声はかすれ、言葉に詰まったり、意味が不明瞭な発言をしたりする場面が目立った。トランプ氏の発言中、口を開けたまま、当惑したような表情を見せることもあった。

トランプ氏は、 バイデン氏が不明瞭な発言をした際、これについて「最後の部分で何を言ったのか私には分からない。彼も自分が何を言ったか分かっていないのだろう」と皮肉る場面もあった。またバイデン氏は、富裕層への増税を財源とする医療制度の強化について語る途中で言葉に詰まった後、「われわれは、ついにメディケア(低所得者向け公的医療保険)を打ち負かした」と不可解な発言をした。

バイデン氏は後半になるにつれ、やや生気を帯びてきたが、挽回するには至らなかった。討論会を視聴した人を対象にしたCNNの緊急世論調査では、67%がトランプ氏が勝利したと答えたのに対し、バイデン氏は33%だった。

トランプ氏は20年の大統領選テレビ討論会では、頻繁にバイデン氏発言を遮ったことで非難を浴びた。だが、今回は相手の発言中、しきりにうなずくなど、自制に努めた様子がうかがえた。そうした落ち着いた様子との対照から一層、バイデン氏の高齢不安が浮き彫りになった形だ。

CNNによると、討論会を受け、一部民主党関係者は「パニック」になり、バイデン氏の撤退を求める意見が相次いでいる。オバマ政権で大統領上級顧問を務めたデービッド・アクセルロッド氏は討論会後、CNNの番組で「彼が(大統領選を)継続すべきかどうかの議論があるだろう」と語った。党大会まで1カ月以上残し、「バイデン降ろし」が表面化する可能性もある。

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