トランプ氏に有罪評決 米ニューヨーク地裁 「不正で恥ずべき裁判」と反発

30日、米ニューヨークのトランプタワーに戻る トランプ前大統領(EPA時事)

【ワシントン山崎洋介】トランプ前米大統領が不倫の口止め料として業務記録を改ざんした罪に問われている裁判で、ニューヨーク州地裁の陪審員は5月30日、有罪の評決を下した。米大統領経験者が刑事事件で有罪となるのは史上初で、トランプ氏が出馬する11月の大統領選への影響が注目される。

陪審員は2日間にわたって約11時間の評議を行い、34件の罪状すべてで有罪と判断した。同地裁の判事は量刑を決める審理を7月11日に開くと明らかにした。業務記録を改ざんした罪の最高刑は禁錮4年だが、米メディアによると、トランプ氏に犯罪歴がないことなどから、実刑になる可能性は低いという。罰金や保護観察などの量刑の可能性がある。

トランプ氏は評決後、険しい表情で報道陣に「私は無罪だ」と強調し、「腐敗した判事による不正で恥ずべき裁判だ」と批判した。バイデン政権が政治的な意図で司法を利用したとの主張を改めて繰り返し、「本当の評決は11月5日に国民によって下されるだろう。彼らはここで何が起きたか知っている」とし、大統領選での勝利を誓った。トランプ氏は、速やかに控訴するとみられる。

一方、バイデン陣営は声明で評決について「きょう、ニューヨークで、法の上に立つ者はいないことを目の当たりにした」と歓迎しつつ、「ドナルド・トランプ氏を大統領執務室から遠ざける唯一の方法は、選挙だ。重罪犯であろうとなかろうと、トランプ氏は共和党の大統領候補になるだろう」とし、大統領選で決着をつける必要があるとの立場を示した。

主要政党の大統領候補になる見通しの人物が有罪評決を受けるのは前例のない事態であり、11月の大統領選にどう影響を与えるか、予想することは難しい。トランプ氏にとって打撃ともなり得るが、「政治的な魔女狩りだとする」トランプ氏の主張に共感が広がる可能性もある。マリスト大学などが30日に発表した世論調査では、有権者の67%が、有罪判決が下されても、大統領選での投票に影響はないと回答。17%がトランプ氏に投票する可能性が低くなるとし、15%がトランプ氏に投票する可能性が高くなると答えた。

共和党関係者からは、評決への反発が相次ぎ、ジョンソン下院議長は、「米国史に残る恥ずべき日」であり、裁判は「純粋に政治的なもの」だと述べた。トランプ氏陣営によると、評決後に寄付が殺到し、寄付を募るサイトのサーバーがダウンした。トランプ氏を支持するホテル経営者ロバート・ビゲロー氏がさらに500万㌦を寄付すると述べるなど大口の寄付表明も相次いでいる。

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