【ワシントン山崎洋介】バイデン米政権は13日、中国系の暗号資産(仮想通貨)関連企業に対し、西部ワイオミング州のウォーレン空軍基地近くに同社が購入した土地を売却するよう命じた。同基地は、核弾頭を搭載可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)が配備されている戦略ミサイル基地であり、安全保障上の懸念がその理由だ。
ホワイトハウスによると、企業の名前は「マインワンパートナーズ」で、英領バージン諸島に拠点があるが、中国人が実質的な経営権を握っている。
同社は、2022年6月にウォーレン空軍基地から1マイル(約1・6㌔)以内に土地を購入したが、米政府に届け出をしていなかった。
その後、一般人からの情報提供を受け、対米外国投資委員会(CFIUS)が調査を行ったという。
米国ではトランプ政権時の2018年に、安全保障に関する技術を中国などから保護するため、海外企業による対米投資を審査するCFIUSの権限を強化し、土地購入もその対象に含めていた。
ホワイトハウスは声明で、「外国系企業が所有する土地が戦略ミサイル基地に近接していることや、監視、スパイ活動を容易にする可能性のある外国製の機器の存在は、米国に安全保障上のリスクをもたらす」とした。
マインワンパートナーズには120日以内の土地売却を命じたほか、機材の撤去以外での立ち入りも禁止した。