米下院、ウクライナ支援案を可決 軍事支援、再開の見通し 

0 日 、 ワ シ ン ト ン の 米 連 邦 議 会 議 事 堂 で 記 者 団 の 取 材 に 応 じ る ジ ョ ン ソ ン 下 院 議 長 ( A F P 時 事 )

【ワシントン山崎洋介】米議会下院は20日、ロシアによる侵攻を受けるウクライナへの追加支援のための法案を賛成対数で可決した。近く成立する見通しで、滞っていたウクライナ支援が再開されることになる。

下院は、ウクライナに608億㌦(約9兆4000億円)の軍事支援をする予算案を賛成311票、反対112票で可決した。共和党議員のうち支援に消極的な保守強硬派ら半数が反対する一方、民主党議員のほとんどが賛成した。

トランプ前大統領の意向も受け、支援の一部は返済義務がある貸し付けとなった。上院では今週中にも通過する見通しで、バイデン大統領の署名を経て成立する見通しとなっている。バイデン氏は声明で「ウクライナに武器と装備を速やかに送ることができるよう、上院が速やかに可決することを強く求める」と述べた。

法案をめぐっては、共和党の保守強硬派が国境管理強化策が盛り込まれていないなどとして強く反発したが、ウクライナ情勢が緊急性を増す中、ジョンソン下院議長(共和党)が採決に踏み切った。ウクライナではロシアが攻勢を強めており、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は18日、米国が軍事支援を再開しなければ、「年内に敗北する危険性が非常に高い」と警告していた。

ジョンソン氏に対しては、保守強硬派が解任動議の提出をちらつかせているが、ジョンソン氏が12日にトランプ氏と会談し、同氏からの支持表明を取り付けたこともあり、現時点で提出される見通しはない。

下院ではこの日、イスラエルへの支援に263億㌦、台湾などインド太平洋地域におよそ81億㌦を提供する予算案もそれぞれ可決した。このほかにも、中国系動画投稿アプリ「ティックトック(TikTok)」をめぐり、中国の親会社バイトダンスが米国事業を1年以内に売却しなければ、全米でアプリ配信を禁じる法案も可決した。

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