トップ国際北米米下院 TikTok禁止法案可決 安全保障上の懸念高まる

米下院 TikTok禁止法案可決 安全保障上の懸念高まる

【ワシントン山崎洋介】米議会下院は13日、中国系短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の禁止を可能にする法案を可決した。中国による米国の情報入手や世論操作など、安全保障上の懸念が広がる中、民主・共和の党派を超えて支持が集まった。

法案は、下院中国特別委員会のマイク・ギャラガー委員長(共和党)らが超党派で提出。下院本会議の採決で、賛成352票、反対65票で可決した。

ティックトックの親会社、中国IT大手の字節跳動(バイトダンス)が米国事業を売却しなければ、米国でアプリ配信が禁じられる内容。ギャラガー委員長は、「ティックトックから中国共産党の存在を消し去る必要がある」と法案への支持を呼び掛けた。

米政府でも選挙への介入の可能性も含め、ティックトックへの警戒感は高まっている。連邦捜査局(FBI)のレイ長官は11日の上院公聴会で、中国企業は中国政府への協力を強制されると指摘した上で、中国による情報操作について、「影響力の行使を検知するのは非常に困難」だと強い警戒感を示した。

ただ、上院は法案に対して明確な方針を示しておらず、先行きは不透明だ。一方、バイデン大統領は、上院が可決すれば法案を支持する考えを示している。ジャンピエール大統領報道官は13日の記者会見で「速やかな行動を望む」として、法案の成立を促した。

一方、中国商務省は法案について「外国企業への不当な弾圧」と反発。ティックトック側も、「表現の自由を脅かす」などと批判し、米国内に約1億7000万人いるとされる利用者に、法案への反対を表明するよう働き掛けている。

若年層に浸透するティックトックを巡る議論は、11月の大統領選へも影響を与えそうだ。今回法案を支持したバイデン氏は2月、ティックトックに大統領選に向けたキャンペーン動画の投稿を開始したことで、批判を浴びていた。

一方、大統領選で共和党の指名が確定したトランプ前大統領は在任中、禁止に動いたが、今回は慎重姿勢に転じた。テレビ番組のインタビューでティックトックによる安全保障上のリスクを指摘する一方、「ティックトックを愛する人はたくさんいる。それがなかったら発狂するような子供たちもいるだろう」と述べた。

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