元米高官ら「容認できず」日本政府の旧統一教会解散請求 国際宗教自由サミット 米ワシントン

1月31日、米ワシントンで開かれた「国際宗教自由(IRF)サミット」で、日本政府による旧統一教会解散命令請求について討議したパネルディスカッション。左からスーザン・ジョンソン・クック元米国際宗教自由大使、「新宗教研究センター(CESNUR)」のマッシモ・イントロヴィニエ代表、ヤン・フィゲル前欧州連合(EU)信教の自由特使、コール・ダーラム米ブリガム・ヤング大学法科大学院名誉教授、同サミット共同議長のカトリーナ・ラントス・スウェット氏(山崎洋介撮影)

【ワシントン山崎洋介】世界における宗教の自由を促進することを目指す「国際宗教自由(IRF)サミット」の2日目が1月31日、首都ワシントンで開かれ、元米政府高官や学者たちから昨年10月に日本政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対し解散命令請求を行ったことに厳しい批判が相次いだ。

同サミットの共同議長で、米政府諮問機関「米国際宗教自由委員会(USCIRF)」の委員長を務めたカトリーナ・ラントス・スウェット氏は昼食会のパネルディスカッションで、日本政府による家庭連合への対応について「見過ごせないレベル」になったと指摘。「『友人であるなら、友人に酔った状態で運転させない』という言葉があるが、日本はまさに酔った状態で車に乗ろうとしている状況だ」とし、米国として日本に忠告する必要性を示した。

同氏はさらに、「特定の信仰共同体を標的にしたり、集団罰を与えたりすることは容認されることではない」とも訴えた。

ヤン・フィゲル前欧州連合(EU)信教の自由特使は、日本共産党や左派弁護士による家庭連合への解散を求める動きは「半世紀の歴史」を持つものであり、今では「非常に危険な段階に達している」と指摘。その上で「信教の自由はすべての人権についてのリトマス試験紙だ。もしこれが尊重されなければ、言論の自由、集会・結社の自由は間違いなく制限、抑圧、侵害されることになるだろう」と警告した。

1月31日、米ワシントンで開かれた「国際宗教自由(IRF)サミット」で、日本に信教の自由擁護を求める宣言文が署名された(山崎洋介撮影)

昼食会は、ワシントン・タイムズ財団と天宙平和連合(UPF)が協賛。パネルディスカッションではこのほか、オバマ元米政権で国際宗教自由大使を務めたスーザン・ジョンソン・クック氏や「新宗教研究センター(CESNUR)」のマッシモ・イントロヴィニエ代表、米ブリガム・ヤング大学法科大学院のコール・ダーラム名誉教授が意見を述べた。その後、日本に信教の自由を擁護する宣言文が署名された。

またニュート・ギングリッチ元下院議長がビデオメッセージを寄せ、「われわれの調査によると、旧統一教会の解散に向けた動きは1978年に日本共産党によって始まった。旧統一教会は無神論が信条の日本共産党と正反対の主張を持っているからだ」と主張。その上で「日本政府はこれが日本の将来、または信教の自由の将来を占う重要な試金石であることを理解する必要がある。政治的な報復行為として宗教団体を解散させることは、自由の基盤そのものを深く損なうものである」とくぎを刺した。

1月31日、米ワシントンで開かれた「国際宗教自由(IRF)サミット」で演説するマイク・ジョンソン米下院議長(山崎洋介撮影)

サミットでは同日、マイク・ジョンソン下院議長も演説し、中国において「チベット仏教徒や法輪功学習者は強制労働収容所に入れられ、中国共産党に臓器を摘出されている」と非難。新疆ウイグル自治区でイスラム教少数派に対し「強制不妊手術や強制収容、再教育というジェノサイド(大量虐殺)が行われている」とも述べ、「米国には大量虐殺を防止し、それを犯した者を罰する機会と義務がある」と強調した。

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