
来年11月の米大統領選に向け、野党・共和党の候補者を決める予備選スタートまで1カ月を切る中、トップのトランプ前大統領を追うニッキー・ヘイリー元国連大使に注目が集まっている。ここにきてヘイリー氏の支持率が急激に上昇しているからだ。(桑原孝仁)
ヘイリー氏の支持拡大は、予備選序盤の重要州である北東部ニューハンプシャー州の世論調査で顕著に表れている。CBSテレビが行った最新調査の支持率では、トランプ氏の44%に対し、ヘイリー氏は29%だった。セント・アンセルム大学の調査でも、ヘイリー氏は前回調査の15%から30%へと支持率を2倍に伸ばし、44%だったトランプ氏との差を大幅に縮めた。
ヘイリー氏は資金面でも支援を獲得し続けている。共和党の大口献金者として知られるチャールズ・コーク氏が支援する政治団体「繁栄のための米国民(AFP)アクション」は、ヘイリー氏支持を表明。ブルームバーグ通信によれば、同団体はヘイリー陣営に400万㌦提供し、今後さらなる資金援助を予定しているという。また、他の大口献金者もヘイリー氏への支援を検討しているとみられる。
さらに、ニューハンプシャー州で高い人気を誇るクリス・スヌヌ知事がヘイリー氏を支持することを明らかにした。スヌヌ氏は自身のX(旧ツイッター)で、「ヘイリー氏は勝利する勢いのある候補者で、共和党を全米で勝利する軌道に戻してくれる」と投稿した。スヌヌ氏は、ヘイリー氏と共に集会やメディアに出演するなど積極的に支援。米メディアなどからは、スヌヌ氏の支持は非トランプ派の勢いを加速させる可能性があるとの見方が出ている。
ただ、ヘイリー氏は最初の党員集会が行われるアイオワ州で苦戦している。CBSテレビ調査の支持率では、トランプ氏の58%、デサンティス・フロリダ州知事の22%に対し、ヘイリー氏は13%で3位にとどまっている。同州はニューハンプシャー州よりも保守的でトランプ氏を熱烈に支持する有権者が多い。ヘイリー氏は、非トランプ派や今後撤退する候補者の支持層を獲得できるかがカギとなってきそうだ。





