バイデン氏へ「中国マネー」 弾劾調査で息子らに召喚状 米下院監視委が資金を追跡

6月25日、米首都ワシントンのフォートマクネア基地に 到着したバイデン大統領(中央)と息子のハンター氏(左) ら(UPI)

米連邦議会下院の監視・説明責任委員会は8日、バイデン大統領の弾劾調査を巡り、息子ハンター氏、弟のジェームズ氏らに対して証言を求める召喚状を出した。バイデン氏の政治的地位を悪用し、外国企業とのビジネスを主導してきた親族への聞き取りに乗り出したことで、弾劾調査は重要な局面を迎えている。(ワシントン・山崎洋介)

ハンター氏らは、外国勢力との不審な取引により巨額の利益を得てきた。これを追及してきた同委のジェームズ・コマー委員長(共和党)によると、複雑に張り巡らされた資金の流れを辿(たど)った結果、ついにバイデン氏本人が「中国マネー」を受け取っていたことが明らかになったという。

コマー氏が1日に公表した調査結果によると、中国共産党とつながりが深いとされるエネルギー企業「中国華信能源」(CEFC)は2017年8月8日、500万㌦をハンター氏が共同オーナーを務める投資会社「ハドソン・ウェスト3」に送金。その日のうちに同社から40万㌦がハンター氏の会社「オワスコ」に移された。

さらに同月14日、オワスコからジェームズ氏とその妻サラ氏の会社に15万㌦が振り込まれた。サラ氏はそこから5万㌦を自身の個人口座に移した後、同年9月3日にバイデン氏宛てに4万㌦の小切手を切った。そのメモ欄には、「ローン返済」と書かれていた。

この資金の流れの発端となったとみられるのが、ハンター氏が17年7月に対話アプリ「ワッツアップ」を通してCEFC幹部に送った脅迫めいたメッセージだ。その中で、ハンター氏は「私は今、父と一緒に座っているところだ」とし、その日のうちに10万㌦を送金しなければ、父親であるバイデン氏から「永遠の恨み」を買うことになると迫った。

注目されるのは、バイデン氏宛ての小切手4万㌦は、ハンター氏の会社が得た40万㌦の10%であることだ。この数字は重要な意味を持つ。ハンター氏のノートパソコンから見つかったメールには、同氏がハドソン・ウェスト3の株式の10%を「大物」のために保有することになると書かれていたが、その「大物」はバイデン氏のことだと指摘されているからだ。

コマー氏は先月20日にも、バイデン氏が18年3月にジェームズ、サラ夫妻から小切手という形で20万㌦を受け取っていたことも明らかにした。その小切手にも「ローン返済」と書かれていた。

コマー氏は、これらの小切手が本当にローンの返済であったかどうかについて繰り返し疑義を呈し、ホワイトハウスに対し、それを裏付ける書類を提出するよう求めている。一方、ホワイトハウスはこの要求に応じていないが、バイデン氏は貸した資金の返済を受けただけであり、賄賂や金銭的利益は存在しないと主張している。

ただ、たとえバイデン氏に支払った4万㌦の小切手が記載通りローンの返済だったとしても、もともとその資金はバイデン氏の政治的地位を利用した中国との取引によって生じたものであることには変わりないと、コマー氏は述べている。ハンター氏らのビジネスに一切関与していないというバイデン氏のこれまでの主張に反して、同氏が貸した資金がこうしたビジネスに使われていた可能性も指摘されている。

共和党は、バイデン一家が20以上のペーパーカンパニーを通じてウクライナや中国などの外国企業から2400万㌦以上を受け取っていたと明らかにしている。9月に当時のマッカーシー下院議長は、バイデン氏がこうしたビジネスに不正に関与した疑いを巡って弾劾に向けた調査の開始を決定した。

今回、ハンター氏らの召喚に踏み切ったことは、調査が準備段階を終え、佳境に入ったことを示している。バイデン氏はハンター氏らのビジネスに関与していたのか、もしくは利益を得ていたのか。実態解明が進むか注目される。

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