
【ワシントン山崎洋介】来年の米大統領選に向け、ケネディ元大統領のおいのロバート・ケネディ・ジュニア氏が9日、民主党の指名候補争いから撤退して無所属で立候補すると表明した。民主・共和両党の支持層から一定の支持を集める可能性があり注目される。
ケネディ氏は、東部ペンシルベニア州で演説し、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領について「両者とも好感度はマイナス圏内だ。これこそが、二大政党政治がもたらしたものだ」と指摘。その上で「二大政党と、それらを支配する腐敗した利権からの独立を宣言する」と訴えた。
ケネディ氏は最低賃金の引き上げや子供向け医療の拡大などリベラル寄りの政策を掲げる一方、保守派の一部が支持する新型コロナウイルスワクチンへの懐疑論やウクライナへの米国の関与の終結を訴えていることでも知られている。両党の候補から票を奪うことで、大統領選の結果に大きな影響を与える可能性がある。
ロイター通信と調査会社イプソスが最近行った世論調査によると、バイデン氏とトランプ氏による争いとなった場合、支持は35%で拮抗。だが、ケネディ氏も含めると、バイデン氏が31%、トランプ氏は33%、ケネディ氏は14%の支持だった。
バイデン氏にとってより打撃となるとする見方もある中、ケネディ氏の兄弟たちは声明を発表し、同氏の無所属からの出馬を「わが国にとって危険」とする声明を発表し、反対する立場を明確にした。一方、共和党全国委員会は声明で、ケネディ氏を 「過激な急進左派の民主党員」と評し、同党とのつながりを印象付けた。
来年の大統領選をめぐっては、急進左派の論客コーネル・ウェスト氏が第三党からの出馬を5日に表明。民主党候補からの支持が流れる可能性が指摘されている。