米下院 史上初の議長解任 共和強硬派動議 つなぎ予算巡り

3日、下院議長解任後、議会で記者会見するケビン・マッカーシー氏(UPI)

【ワシントン山崎洋介】米議会下院は3日、共和党保守強硬派が提出したマッカーシー議長(共和)への解任動議を賛成多数で可決した。米メディアによると、米下院議長が解任されるのは、史上初。共和党内での対立が強まる中、後任議長の選出が遅れれば、ウクライナ支援の審議などが停滞することが懸念される。

先月末に成立したつなぎ予算を巡って、共和党保守強硬派のゲーツ議員は、マッカーシー氏が大幅な歳出削減などの約束を守らなかったなどとして議長の解任動議を提出していた。これに、共和党議員の8人に加えて、出席した民主党議員の全員が賛成し、216票対210票で可決した。

その後、マッカーシー氏は記者会見で、つなぎ予算を提出したことについて「不平ではなく、国家を選択するために立ち上がったことを後悔していない」と表明。一方で、「共和党議員の96%の支持を得ながら、8人が他党の全議員と連携する状況で、どうやって統治すればいいのか」と不満をあらわにし、議長に再び立候補する考えはないことを明らかにした。

共和党は来週に後任議長についての会合を開く予定。候補としてスカリース院内総務やエマー院内幹事、司法委員会のジョーダン委員長らが取りざたされているが、決定には難航も予想される。

1月にマッカーシー氏が選出された際には、共和党の一部強硬派が繰り返し反対票を投じたことで、15回目の採決でようやく決定した。

政府の新年度予算案の成立が遅れる中、民主党議員の一部が解任動議に反対するとの観測もあった。しかし、民主党は、マッカーシー氏がバイデン大統領に対する弾劾調査を決めたことなどを理由に全員が賛成した。

議長選出が長引くことで、ウクライナ支援が停滞することも懸念される。つなぎ予算からは、一部の保守強硬派が反対していたウクライナ支援は除外されていた。バイデン政権は、現在の予算でウクライナ支援は2カ月程度しか持たないとしている。

共和党内での対立が深まることへの懸念が党関係者から相次いでいる。来年の大統領選で同党の最有力候補のトランプ前大統領も、解任動議の採決前に「共和党はいつも内部で戦っているが、なぜこの国を破壊している急進左派の民主党とは戦わないのか」と自身のソーシャルメディアに投稿し、疑問を呈した。

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