【ワシントン山崎洋介】ペンス前副大統領(63)は5日、連邦選挙委員会に2024年大統領選への立候補に関する届け出書類を提出した。かつて副大統領として仕えたトランプ前大統領(76)に挑む異例の展開となる。ペンス氏は7日、予備選の初戦が行われる中西部アイオワ州を訪れ、正式に出馬を表明する予定だ。
ペンス氏は副大統領として在任中、トランプ氏の忠実な部下として保守的な政策の実現に貢献したが、21年1月6日にトランプ氏からの圧力に抵抗して前年の大統領選の結果を認定した後、同氏とは袂(たもと)を分かった。トランプ氏支持層からの反発はいまだに根強く、4月に地元のインディアナ州で開催された全米ライフル協会の会合で登壇した際に、聴衆からブーイングを浴びた場面もあった。
ペンス氏は高い知名度を持つ一方で、支持率は1桁に留(とど)まっている。共和党指名候補争いのトップを走るトランプ氏に対抗し得る候補者として、若手のデサンティス・フロリダ州知事(44)が台頭する中、どう存在感を示せるかが課題だ。

敬虔(けいけん)なキリスト教徒としても知られ、自らについて「キリスト教徒で保守派で共和党員。この順番通りだ」と表現してきた。伝統的な保守主義の立場から、強力な国防や小さな政府、伝統的価値観の尊重を訴え、支持の拡大を図るとみられる。
ペンス氏は「トランプ・ペンス政権」における実績をアピールする一方で、時にトランプ氏の言動を批判するなど、一定の距離を取ってきた。北朝鮮が世界保健機関(WHO)執行理事国に選出されたことを受け、トランプ氏が2日に金正恩朝鮮労働党総書記に祝賀メッセージを送ったことについて、「私のかつてのランニングメイト(トランプ氏)や他の誰であれ、北朝鮮の独裁者やウクライナで理由なく侵略戦争を始めたロシアの指導者を称賛すべきでもない」と咎(とが)めた。
共和党では今週、クリスティー前ニュージャージー州知事(60)やバーガム・ノースダコタ州知事(66)も出馬を表明する見通しで、候補者乱立の様相を呈している。一方、トランプ氏を批判してきたニューハンプシャー州のクリス・スヌヌ知事は5日、候補者が多過ぎるとトランプ氏を利するとして、出馬を見送ると表明。ワシントン・ポスト紙への寄稿で「勝利の道筋が見えない候補者は退場すべきだ」と主張した。







