【ワシントン山崎洋介】2024年11月の米大統領選に向け、野党・共和党のロン・デサンティス・フロリダ州知事(44)が24日、立候補を表明した。すでに立候補しているトランプ前大統領の最大のライバルになるとみられる。これにより、指名候補争いが本格化しそうだ。
デサンティス氏は、ツイッターに投稿したビデオメッセージで、「国境は大惨事で、都市には犯罪がはびこっている。連邦政府は家計を厳しくしている。だが、大統領は何をすべきか分かっていない」とバイデン政権を批判。その上で「偉大な米国の復活を導くために大統領に立候補する」と表明した。
デサンティス氏は、新型コロナウイルス対策をめぐり、バイデン政権と厳しく対立し、経済再開を推進したことで保守派の間で脚光を浴びた。また「ウォーク(差別問題に敏感なこと)」と呼ばれるリベラルな価値観との対決姿勢を前面に打ち出しており、学校教育をめぐっては、小学3年生まで性的指向、性自認に関して教室で議論することを禁止する法律などを成立させた。
デサンティス氏は、昨年11月の中間選挙で20ポイント近くの差をつけて再選を果たしたことで、共和党内でトランプ氏に対抗できる有力候補として存在感を高めた。
キニピアック大が24日に発表した世論調査によると、共和党有権者の支持は、トランプ氏が56%だったのに対し、デサンティス氏は25%だった。同党では、ヘイリー元国連大使らがすでに立候補を表明したほか、ペンス前副大統領の出馬検討が伝えられているが、現状では1桁の支持率にとどまっている。
現時点では、トランプ氏とデサンティス氏による一騎打ちの様相だ。トランプ氏は3月下旬にニューヨーク州の大陪審に起訴されて以降、党内で支持を広げているが、無党派からの支持もあるデサンティス氏の方が本選挙に有利との見方もある。
デサンティス氏はこの日、ツイッターの音声配信機能「スペース」を使い、同社を所有するイーロン・マスク氏との対談という形で出馬について語ったが、アクセスが殺到したことで音声が途切れる不具合が発生し、約30分後に配信が再開されることになった。
デサンティス氏に警戒心を強めるトランプ氏は、ソーシャルメディアで「ツイッターでの選挙活動の開始は大惨事だった。彼の選挙戦全体も大惨事となるだろう」とすかさず皮肉った。