トランプ前大統領を起訴 NY大陪審 4日にも出頭、共和は反発

支援者たちの前で演説するトランプ前米大統領=2023年3月25日、米テキサス州ウェーコ(UPI)

【ワシントン山崎洋介】米ニューヨーク州マンハッタン地区の大陪審は30日、トランプ前大統領を起訴した。大統領経験者が起訴されるのは史上初。同氏がすでに出馬を表明している2024年大統領選への影響が注目される。

米メディアによると、トランプ氏の弁護士の話として、4日にも同氏が出頭要請に応じる可能性がある。罪状は明らかになっていないが、出頭した際に明らかになるとみられる。同地区の検察は、同氏と不倫関係にあったとされるポルノ女優に支払われた口止め料を巡り、捜査をしていた。

起訴を受けてトランプ氏は「史上最大の政治的迫害と選挙介入だ」と反発する声明を発表した。その中で民主党に矛先を向け「元米国大統領であり、共和党の最有力大統領候補である政敵を罰するために司法制度を武器化することは、これまでになかったことだ」とし、民主党側の政治的動機が背景にあると主張。その上で「この魔女狩りは、バイデン(米大統領)にとてつもない形で跳ね返ってくるだろう」と訴えた。

トランプ氏側の弁護士は米メディアに「トランプ氏はいかなる犯罪も犯していない。われわれはこの政治的な訴追と法廷で激しく戦うつもりだ」と無罪を主張している。

共和党関係者はトランプ氏を擁護する立場を相次いで示しており、マッカーシー下院議長はツイッターで、「大統領選挙への介入の試みであり、わが国に取り返しのつかない損害を与えた」と起訴を非難。マンハッタン地区検事のアルビン・ブラッグ氏(民主党)に対しては、「国民はこの不当な行為を許容することはない。議会下院は、先例のない権力乱用の責任を問う」とし、追及する姿勢を示した。

次期大統領選へ出馬するとみられるフロリダ州のディサンティス知事(共和党)も「政治目的を推進するために法制度を武器化することは、法の支配を根底から覆すものであり、非米国的だ」と起訴を批判。同州に住むトランプ氏への身柄引き渡し要求があったとしても応じない考えを示した。

仮に有罪になっても憲法は犯罪歴のある人物の大統領選への立候補を制限しておらず、出馬は可能となる。トランプ氏自身もこれまで、起訴された場合でも立候補する考えを表明してきた。

今回の起訴により、民主党が政治目的で権力を乱用しているとの印象が強まることでトランプ氏への支持が一層強固になることも予想される。一方で、共和党穏健派や無党派層のトランプ氏離れが進む可能性も指摘されており、大統領選への影響に注目が高まっている。

トランプ氏を巡っては司法当局による別の捜査が進められており、司法省は昨年11月、特別検察官を任命し、トランプ氏の自宅から機密文書が見つかった問題などについて捜査が行われている。また、20年大統領選でトランプ氏がジョージア州の投票結果を覆すよう圧力をかけた疑いでも州の検察が捜査している。

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