トップ国際北米【米中間選挙2022】共和 過半数固め下院奪還 上院は民主多数派で「ねじれ」

【米中間選挙2022】共和 過半数固め下院奪還 上院は民主多数派で「ねじれ」

下院議長を目指すマッカーシー共和党下院院内総務=11月15日、(UPI)

【ワシントン山崎洋介】8日投票の米中間選挙で、接戦の下院で野党共和党が過半数の218議席を固め、4年ぶりに多数派を奪還することになった。上下両院の支配政党が異なる「ねじれ」議会となり、バイデン大統領は厳しい政権運営を強いられることになる。

今回の選挙は、記録的なインフレや犯罪の増加を背景に、共和党が大勝するとの見方もあったが、上院は与党民主党が多数派を維持することが決まり、下院は大接戦となった。郵便投票の増加により、下院では大勢判明に1週間以上かかるという異例の展開となった。

バイデン氏は16日に発表した声明で、「民主主義の力強さと回復力が示された」と手応えを示す一方、共和党と協力して政権運営を進める考えを示した。マッカーシー共和党下院院内総務はツイッターに、「米国民は新たな方向に進む準備ができており、下院共和党はそれに応えるつもりだ」と投稿した。

共和党が下院で多数派を奪還することで、与党側の予算案や法案が通りにくくなることが予想される。下院議長になる見通しのマッカーシー氏は、国境政策の厳格化や政府支出の削減などに取り組む方針を示している。また、昨年1月に起きた連邦議会乱入事件へのトランプ前大統領の関与を調査してきた下院の特別委員会を解散する一方、混乱したアフガニスタンからの米軍撤退や新型コロナウイルス起源についての調査を開始する意向だ。

今回の中間選挙では、トランプ氏が推薦した候補が上院の激戦州で相次いで敗北したことなどから、共和党内から同氏への批判が起きた。求心力に揺らぎも見られる中、トランプ氏は16日に2024年大統領選への出馬を発表。今後、候補指名争いに向けた動きが活発化しそうだ。

CNNテレビによると、17日午前4時(日本時間午後6時)現在で、下院(定数435)は共和党が218議席、民主党が210議席を確保した。上院(定数100)は、民主党が50議席、共和党が49議席を得る見通し。採決で賛否同数の場合、上院議長を務めるハリス副大統領が票を投じるため、事実上、民主党の多数派維持が確実となった。残る1議席は、12月6日にジョージア州で行われる決選投票で決まる。

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