
【ワシントン山崎洋介】米中間選挙は8日、全米各地で投開票が行われ、野党・共和党が下院でリードする一方、上院は接戦となっている。共和党に当初予想されていたほどの勢いは見られず、上院の大勢判明まで時間がかかる可能性もある。
中間選挙は4年に1度、大統領選の中間の年に実施される国・地方の統一選挙。今回、上院は定数100のうち35議席、下院は全435議席がそれぞれ改選された。
CNNテレビによると、下院では、9日午前6時(日本時間午後8時)の時点で、共和党が198議席、与党・民主党が178議席をそれぞれ獲得。59選挙区でまだ結果が判明していない。
共和党下院トップのマッカーシー院内総務は9日未明、「われわれが下院を取り戻すことは明らかだ」と自信を示した。一方、民主党のペロシ下院議長は、「下院民主党の候補者が全国で期待を大幅に上回っていることは明らかだ」と善戦していることを強調した。
一方、上院は民主・共和党がそれぞれ48議席を獲得し、残る4州で結果が判明していない。激戦となっていた東部ペンシルベニア州では、民主党候補が当選を確実にし、共和党の議席を奪取したほか、ニューハンプシャー州も同党候補が勝利。共和党は中西部オハイオ州と南部ノースカロライナ州で候補者が当選を確実にした。
大接戦となっているジョージア州では、どちらの候補者も50%を超えない場合、12月6日の決選投票となる。多数派の行方は、決選投票に持ち越される可能性がある。
共和党のグラム上院議員は出演したテレビ番組で、「共和党の波でないことは明らかだ」と述べ、予想されたほどの勢いがなかったことを認めた。
NBCニュースの出口調査によると、投票する上で重要な問題としてインフレが最も多く31%で、それに次いで中絶が27%、犯罪対策、銃規制がそれぞれ11%だった。共和党が強みを持つインフレ対策に加え、民主党が掲げてきた「中絶の権利」も選挙結果に影響を与えたことがうかがえる。
州知事選では全米50州のうち36が改選されニューヨーク、ミシガン両州などで民主党が、フロリダ、ジョージア両州などで共和党がそれぞれ勝利を決めた。