【ワシントン山崎洋介】バイデン米大統領の約2年間の政権運営に対する初の審判となる米中間選挙が8日、投開票される。インフレや犯罪の増加に対する有権者の不満の高まりを背景に、与党・民主党が苦戦している。野党・共和党が下院で多数派を奪還することは確実視されており、上院でも多数派を奪還するかが最大の焦点となる。
中間選挙は4年に1度、大統領選の中間の年に実施される国・地方の統一選挙。任期6年の上院(定数100)のうち35議席と、任期2年の下院(定数435)の全議席が改選されるほか、州知事選も36州で実施される。
上院の現有議席は民主党50、共和党50で同数だが、副大統領が持つ1票を加えて民主党が多数派となっている。共和党は1議席増やせば、多数派奪還となる。
政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス(RCP)」によると、現在、共和党は48議席、民主党は44議席を固め、アリゾナ、ジョージア、ペンシルベニアなど接戦8州が勝敗を左右することになる。多数派奪還に向け共和党がやや優位な立場にあるが、民主党も巻き返しを図っており予断を許さない。
また同サイトによると、下院では、共和党がすでに過半数の228議席、民主党は174議席を固め、33の選挙区が接戦となっている。
各種世論調査によると、有権者にとって最も差し迫った問題がインフレなど経済で、共和党にとって大きな追い風となっている。民主党が前面に打ち出してきた中絶の権利は、経済問題に比べるとややかすみがちだ。
民主党が上下両院で過半数を失えば、バイデン氏の残る2年間の任期は政権運営が困難になり、レームダック(死に体)化することも予想される。また、党内から今月80歳になるバイデン氏の2024年大統領選への出馬を断念するように求める動きが出る可能性もある。