バイデン米大統領、認知機能低下か 物忘れや言い間違い相次ぐ

有権者の懸念広がる 安全保障上のリスクも

10月31日、米ホワイトハウスで演説するバイデン米大統領(UPI)

今月80歳を迎えるバイデン米大統領の認知機能低下への懸念が高まっている。記憶力の著しい低下を疑わせる出来事や言い間違いが相次いでいるためだ。バイデン氏の再選出馬への判断に影響する可能性があるとともに、安全保障上のリスクも指摘されている。(ワシントン・山崎洋介)

「ジャッキーはどこだ?」。バイデン氏は9月下旬、飢餓問題に関する会合での演説中、約2カ月前に亡くなったばかりの共和党のジャッキー・ワロルスキー下院議員を聴衆の中に探した。

会合の開催に尽力したことへの感謝を伝えるためだったとみられるが、バイデン氏はワロルスキー氏が交通事故で亡くなった直後に「驚き、悲しんでいる」との追悼文を発表していた。この重大な出来事を忘れていたかのようなバイデン氏の発言に、記憶力低下への懸念が広がった。

バイデン氏の認知機能の低下をうかがわせるようなことは、他にも相次いで起きている。同氏は9月21日、ニューヨークで行われた会合での演説を終え、演壇から離れた後、突然足を止め、困惑したような顔で周りを見回した。降り口がどこか分からない様子のまま、しばらくステージをさまよった。

その約1カ月後、ペンシルベニア州での演説後にも、バイデン氏はステージの降り口を探すようなしぐさをした。見つけた後にその方向を指さし、小走りを見せながらステージから降りた。

これ以外にも通常では考えられない事実関係の間違いも目立っている。コロラド州での演説で、バイデン氏は息子のボー氏が、実際には脳腫瘍で亡くなったにもかかわらず、「イラクで命を落とした」と全く異なる事実を述べた。ペンシルベニア州での集会では、全米の州の数は50であるにもかかわらず、「われわれは54州を回った」と間違えた。

2年前の大統領選の時から、バイデン氏の失言や物忘れ、言い間違いが著しく、認知症ではないかとの指摘もされていた。最近の出来事は、こうした疑いをさらに強めている。

イシューズ・アンド・インサイツ/TIPPが10月10日に発表した世論調査によると、バイデン氏の精神的な健康に懸念を抱いている人の割合は64%にも達しており、前回調査の59%から増加。特に民主党支持者の間では、39%から52%に急増した。

こうした中、バイデン氏は10月21日に放映されたMSNBCテレビのインタビューで、自身が高齢でありながら再選出馬することが一部で疑問視されていることについて、「判断するのに一番いい方法は、私を見ることだ」と述べ、有権者に自らの姿を見て判断することを求めた。

だが、この回答以上に注目を集めたのは、2024年に再選出馬することをジル夫人が支持しているかどうか尋ねられた時のバイデン氏の反応だった。

この質問に、バイデン氏は軽くうなずいた後、目を細め、意識が遠のくような顔つきをして、少しの間沈黙した。質問者から「大統領?」と促された後に、「私の妻は、われわれが非常に重要なことをしており、私がそこから逃げるべきではないと考えている」と時折言葉に詰まりながら答えた。

こうした様子に、共和党議員からは厳しい指摘も出ている。

ホワイトハウスでオバマ、トランプ両元大統領の担当医師を務めたロニー・ジャクソン下院議員(共和党)は、ツイッターで「バイデン氏はインタビューで妻が2期目の出馬を望んでいるかどうか答えられなかった。彼は完全に混乱していた」と指摘。その上で「このような質問に答えられないわれわれの『大統領』は、国家安全保障上の脅威だ! 彼の認知能力の衰えはあまりにもひどい」として辞任を求めた。

バイデン氏の認知機能の低下が事実であるなら、再選出馬の判断に影響を与えるだけでなく、米軍の最高司令官を務める大統領として安全保障上のリスク要因ともなりかねず、今後も注視する必要がある。

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