
【ワシントン山崎洋介】トランプ前米大統領は26日、退任後初めて首都ワシントンに戻り、保守系シンクタンクのイベントで演説した。トランプ氏は、2024年の大統領選について、「もう一度やらないといけないかもしれない」と述べ、出馬への強い意欲を示した。
トランプ氏は、トランプ前政権の高官たちによって創設された「米国第一政策研究所」で演説し、「われわれは、中間選挙で勝利し、2年後には共和党大統領を誕生させると固く信じている」と強調。20年大統領選に不正があったと改めて主張した上で、「もう一度やらないといけないかもしれない。私は米国を救わなければならない」と訴え、聴衆から喝采を浴びた。
トランプ氏は最近のニューヨーク・マガジンのインタビューで、出馬するかどうかはほぼ決めているが、11月の中間選挙の前後のどちらで発表すべきか迷っていると語っていた。
トランプ氏はまた、有権者の関心の高い治安問題について取り上げ、「民主党が運営する都市や州、連邦政府の下で、犯罪者たちはかつてないほど自由に行動できるようになった。こんな時代はなかった」と批判。「われわれの国は今や、犯罪の巣窟となっている。これは、法執行機関を破壊し、解体しようとする民主党の取り組みのせいだ」と主張した。
この日、次期大統領選への出馬が取りざたされるペンス前副大統領もワシントン市内で演説し、「トランプ・ペンス政権の実績をこれ以上ないほど誇りに思う」と強調し、連邦最高裁の判事を3人送り込んだことや不法移民対策などを挙げた。
一方、トランプ氏との関係についての質問には、「大統領と私が政策面で異なるとは思っていない。しかし、焦点については異なるかもしれない。私は、選挙は未来についてのものだと心から考えている」と述べ、前回大統領選に不正があったと主張するトランプ氏と距離を取った。