米大統領、あすから日韓歴訪 台湾海峡安定の重要性も確認 

対中朝で同盟強化図る

アンドルーズ空軍基地で演説するバイデン米大統領=5月18日(UPI)

【ワシントン山崎洋介】バイデン米大統領は、20日から24日まで韓国と日本を訪問する。バイデン大統領が就任後にアジアを訪れるのはこれが初めて。ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中でも、インド太平洋地域に関与することを示し、中国や北朝鮮による脅威に対応するため、日韓両国との同盟関係を強化したい考えだ。

バイデン氏は23日に日本で岸田文雄首相と初の対面での会談を行い、東シナ海や台湾海峡における連携強化を図る。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、台湾有事への対応について一層注目が高まる中、「台湾に関するかなり明確な言及がある」(戦略国際問題研究所のマイケル・グリーン上級副所長)ことが予想される。

続く24日には日米豪印(クアッド)首脳会合に出席。インド太平洋で中国を封じ込めるためのより強力な連携を築くことを目指す。

バイデン氏はまた、新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足を発表する。バイデン政権は、環太平洋連携協定(TPP)への復帰には否定的な中、IPEFを立ち上げることで、地域で経済影響力を拡大する中国を牽制(けんせい)する狙いだ。ただ関税引き下げは対象となっておらず、どこまで実効性のある枠組みにできるかが課題となる。

これに先立ち、バイデン氏は20日に韓国を訪問し、尹錫悦大統領と初めての首脳会談を21日に行う。韓国と北朝鮮の軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)への訪問を検討している。

核ミサイル実験をエスカレートさせる北朝鮮への対応が大きな焦点となる。北朝鮮に融和的姿勢を取り続けた文在寅前政権から、5年ぶりに保守政権に代わることで、非核化に向けて米韓が一致して取り組めるかが注目される。また、尹政権はクアッドへの協力姿勢を示しており、その具体的な中身についても議論されるとみられる。

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