トップ国際中東中国製衛星を軍事転用か―イラン 攻撃精度向上の背景

中国製衛星を軍事転用か―イラン 攻撃精度向上の背景

【パリ安倍雅信】米政府が19日、イランによるヨルダンの米軍基地攻撃で米兵2人が死亡、1人が行方不明、4人が負傷したことを明らかにしたが、イラン革命防衛隊の攻撃の精度の高さに注目が集まっている。フランス国際関係研究所(Ifri)の安全保障研究センター(CES)は、イランが中国の衛星を使い、中東の米国施設を攻撃している可能性の高さを指摘している。

米中央軍は、ミサイルやドローンの保管場所、沿岸監視システム、防空システムなど、イラン革命防衛隊が使用する施設を標的とした攻撃を行っているのに対して、イラン軍は中東の米国施設への攻撃を強めている。CESのフローレンス・デュヴェイエ研究員は、今年春のイランの攻撃事例を挙げ、中国民間企業が運営する宇宙ベースの情報へのアクセスがなければ、攻撃の精度を高めることはできないと指摘している。

中国当局は全面否定しているが、英フィナンシャル・タイムズ紙も、イランは2024年に解像度50㌢の中国製民間衛星TEE―01Bを3700万㌦(約59億円)で取得し、人工知能を用いて収集したデータを顧客に提供するサービスを軍事転用したと報じた。その結果、イラン革命防衛隊は標的に対して非常に高い精度の攻撃を行っている可能性が高いと分析している。

一方で、同様の技術は米国や欧州にも存在している。研究者は「公的機関と民間企業、欧米と非欧米を問わず、画像データを作成または再配布できる主体が増殖しているため、そのアクセスを制御することは困難だ」と指摘する。このため、限られた軍事予算でもさまざまな先端技術によって、敵に壊滅的ダメージを与える攻撃は可能な状況にあると言えそうだ。

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