
【ワシントン川瀬裕也】米国とイランによる2週間の停戦合意は、発効直後から双方の認識のずれが表面化している。イスラエル軍は8日、レバノンのイラン系イスラム教シーア派組織ヒズボラを標的に交戦再開後最大規模の攻撃を実施し、首都ベイルートなど100カ所超を攻撃した。レバノン当局の発表によると、全土で少なくとも254人が死亡した。
これに関し、トランプ米大統領は同日、PBSニュースのインタビューで、2週間の停戦合意について「レバノンは含まれない」と述べた。ホワイトハウスのレビット報道官も同様に、レバノンは合意の対象外だとの認識を示した。
一方、イラン側は停戦の運用を巡って反発を強めている。現地報道などによると、イランのガリバフ国会議長は、イスラエルによるレバノン攻撃の激化や、米側がイランに核開発放棄を求めていることなどを挙げ、「このような状況下では、2国間の停戦や交渉は不合理だ」と述べた。
これに対し、バンス米副大統領は、レバノンへの攻撃についてトランプ氏と同様の認識であることを示した上で、「イランが停戦合意を破れば深刻な結果を招くことになる」と警告した。
トランプ政権は、停戦の次の段階として、イランとの直接協議をパキスタンの首都イスラマバードで行う方向で調整を進めており、バンス氏が米交渉団を率い、スティーブ・ウィトコフ中東担当特使らとともに現地入りする予定となっている。
協議の初回会合は週末にも始まる見通しで、パキスタンのシャリフ首相も8日、イランのペゼシュキアン大統領の協議参加を確認したと発表した。ただレバノン攻撃を受けて情勢は流動的で、予定通り二国間協議が開かれるかどうかは、今後の現地情勢に左右される可能性がある。





