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イスラエル、イランを再攻撃か 革命防衛隊がミサイル演習 12日間戦争から半年

6月15日、イランの首都テヘラン南部で、イスラエル軍の攻撃を受けた石油関連施設から立ち上る炎と黒煙(AFP時事)
6月15日、イランの首都テヘラン南部で、イスラエル軍の攻撃を受けた石油関連施設から立ち上る炎と黒煙(AFP時事)

 6月のイスラエルによるイランへの奇襲攻撃と米国の参戦でイランの核関連施設が破壊された「12日間戦争」が停戦となってから半年が経過した。イスラエルは、イランがミサイル演習を隠れみのに攻撃を仕掛けてくる可能性を警告している。イランの軍備拡大を警戒するイスラエルがイランと再び軍事衝突する可能性が浮上し、緊張が高まっている。(エルサレム森田貴裕)

 イランのメディアが12月22日、首都テヘランやイスファハンなどの複数の都市でミサイル演習が行われたと報じた。イラン国営放送と半国営のヌールニュースは、ミサイル発射の様子を映したと思われるビデオも公開した。イランは、ミサイル計画はあくまでも防衛的なものだとしている。イラン外務省報道官は、「イランの軍事力に関するいかなる議論も拒否し、ミサイル計画はイランの主権防衛のみを目的として開発されており、交渉の対象にはならない」と述べている。

 イスラエルのネタニヤフ首相は22日夜、イスラエルはイランによる最近の軍事演習のすべてを監視し、必要な準備を整えていると強調。イランがイスラエルに対して行動を起こした場合、非常に厳しい対応を行うと警告した。また、ネタニヤフ氏は、「イスラエルはいかなる勢力とも対立を求めず、安定を目指している」と述べた。これに対し、イラン軍報道官は23日、「イランの海軍、陸軍、ミサイル部隊は、敵が仕掛けるあらゆるシナリオに完全に備えている」と述べた。

 このイランのミサイル演習の前日、米ニュースサイト「アクシオス」は、イスラエル当局者の発言として、イスラエルが米国に対し、イランの革命防衛隊がミサイル演習を隠れみのにイスラエルへ奇襲攻撃を仕掛ける可能性があると警告したと報じていた。

 イスラエル軍高官は、イスラエル紙イディオト・アハロノトのインタビューで、米国がイランの弾道ミサイル計画の停止で合意に至らなければ、イランとの軍事衝突は避けられなくなる可能性があると警告した。高官によると、イランの弾道ミサイルの能力は向上しており、その脅威は極めて深刻で、イスラエルに向けて大量のミサイルが発射されれば、小型核兵器と同等の被害をもたらす可能性があるという。

 6月の12日間戦争では、イランから500発以上の弾道ミサイルが発射され、36発のミサイルが着弾。特にイスラエル軍の主要司令部があるテルアビブのキルヤ地区に甚大な被害が出た。同地区のすぐ近くにある高級住宅ビルの一部は完全に崩壊し修復不可能となり、全面的な再建が必要となった。ミサイル攻撃の衝撃により近隣の建物も深刻な被害を受けた。イスラエル側では32人が死亡、建物240棟、住宅2305戸、二つの大学と一つの病院が被害を受け、1万3000人以上が避難を余儀なくされた。イラン側はイスラエル軍による攻撃で1000人以上が死亡した。

 報道によれば、イスラエル軍は6月のイランへの攻撃で、イランの弾道ミサイルや軍需産業施設の全てを破壊したわけではない。イランは戦争前、ミサイル約3000発と発射装置約400基を保有していた。現在、イランはその半分のミサイルを保有する。イランはミサイル生産を加速させているが、目標とする生産量にはまだ達していないと主張する。イスラエル対外情報機関モサドやイスラエル軍情報部は、イランの再軍備の現状では即時の行動が必要だとは評価していないものの、数カ月後には問題がより深刻になる可能性があるとしている。

 イランのミサイル生産が抑制されなければ、年間最大3000発まで増加する可能性があると米メディアで報じられている。イランのアラグチ外相は12月21日、「新たな戦闘が発生した場合に備え十分な準備ができている」と強調。戦争で被害を受けた戦略施設を再建したと述べている。

 イスラエル軍ザミール参謀総長は21日、「イスラエル軍は、敵を必要であればどこでも、近距離戦線でも遠距離戦線でも攻撃する」と述べている。イランから一斉に発射される大量の弾道ミサイルの威力が、小型核兵器に匹敵するならば、イランの軍備拡大を警戒するイスラエルは前回と同様、イランに奇襲攻撃を仕掛ける可能性がある。

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