トップ国際中東ガザ停戦、第1段階終了間近 イスラエル軍 ハマス幹部殺害

ガザ停戦、第1段階終了間近 イスラエル軍 ハマス幹部殺害

パレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市で、赤十字国際委員会(ICRC)の車両の前に立つハマス戦闘員=2日(AFP時事)
パレスチナ自治区ガザの中心都市ガザ市で、赤十字国際委員会(ICRC)の車両の前に立つハマス戦闘員=2日(AFP時事)

 イスラエルとイスラム組織ハマスの今年10月の停戦合意第1段階の終了が近づく中、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザを空爆し、ハマス幹部を殺害した。イスラエルとハマスの双方が停戦違反を非難している。(エルサレム森田貴裕)

 イスラエル軍は12月13日、ガザ市で空爆を実施し、ハマスの軍事部門ナンバー2、ラード・サード氏を殺害した。軍によると、サード氏は、兵器製造本部の責任者で、停戦中も武器生産を主導していた。イスラエルは、この空爆は停戦違反への報復措置だと主張している。軍によれば、ガザ地区ではここ数週間、ハマス戦闘員による軍部隊に対する攻撃が繰り返されている。空爆の当日早朝もガザ地区南部での爆発で予備役2人が負傷していた。軍は、これらの攻撃は停戦違反だとしている。

 イスラエルのネタニヤフ首相とカッツ国防相は共同声明で、サード氏は2023年10月7日のハマスによる奇襲の立案者の一人であり、最近ではテロ組織の復活、イスラエルに対する攻撃の計画や実行、戦闘員の再編など再軍備に関与していたと指摘。「ハマスが停戦規則に違反して、トランプ米大統領が提示したガザ停戦計画を尊重するという約束を露骨に破っている」と非難した。一方のハマスは、空爆は停戦違反だとしてイスラエルを非難した。

 イスラエルのメディア「チャンネル13」は、国防当局者の発言として、ハマス軍事部門の指導者アルハダッド氏も標的になっていると報じた。機会があれば、停戦中であっても排除する可能性があるという。当局によると、アルハダッド氏は少なくとも6回の暗殺未遂を生き延び、「ハマスの亡霊」という異名を得ている。ヘブライ語を話し、ガザ地区北部で人質拘束に直接関与していたという。

 イスラエル紙イディオト・アハロノトの軍事ジャーナリストであるロン・ベンイシャイ氏は、停戦中にガザ市中心部でハマス幹部を標的とした殺害を実行するというイスラエルの決定は、極めて異例のことだと述べた。作戦は、ネタニヤフ氏や軍参謀総長、軍情報局長、南方軍司令官の勧告を受けて承認されたという。

 トランプ氏は最近、ネタニヤフ氏との電話会談で、時間をかけてでもガザ停戦計画を進展させるよう促していた。米ニュースサイト「アクシオス」によると、イスラエルは13日の空爆前に米国に事前通知を行っていなかった。

 イスラエルは今回の作戦で、米国や地域の仲介者に対し、イスラエルは停戦中であってもハマスがガザ地区で軍事力や統治力を持ち続けるシナリオを受け入れることなどできないというメッセージを送ったのだとベンイシャイ氏は分析する。そして、非常に目立つような形でサード氏を攻撃することで、アルハダッド氏をはじめとするハマスの幹部に対し、いかなる停戦や外交プロセス、国際的な圧力があるとしても、ハマスがガザ地区にとどまることを許さないという明確な警告を発したのだという。ガザ地区におけるハマスの存続は、イスラエルにとって依然として譲れない一線なのだ。

 イスラエル軍は、米国が仲介した停戦合意に基づき、部隊を定められた撤収ライン(イエローライン)まで移動させたが、今なおガザ地区の半分以上を掌握している。イエローラインを越え、部隊に接近するハマス工作員は排除の対象だ。ガザ保健省の発表によると、これまでの戦闘で7万人以上が死亡した。

 停戦が2カ月を過ぎ、ガザ地区に残された人質の遺体は残り1人となり、停戦第1段階の終了が近づいている。ネタニヤフ氏は12月下旬に訪米し、第2段階についてトランプ氏と協議する予定だ。第2段階では、ハマスの武装解除が含まれる。ただ、ハマスは依然として武装解除を拒否している。テルアビブ大学ダヤン・センターのパレスチナ研究フォーラムの責任者マイケル・ミルシュタイン博士は、国際安定化部隊が派遣されたとしてもハマスが武装解除に応じない場合、イスラエル軍がイエローライン沿いに配置される可能性があるとしている。

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