
【ワシントン山崎洋介】米メディアは24日、米軍によるイラン核施設3カ所への空爆が、同国の核計画の中核部分を破壊しておらず、数カ月遅らせる程度だった可能性が高い、との米情報機関の初期評価について報じた。トランプ大統領は自身のSNSでこれを報じたCNN、ニューヨーク・タイムズ紙について「フェイクニュース」だと批判、「歴史上、最も成功した軍事攻撃の一つを貶(おとし)めようとしている」と強く反発した。
トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれている、オランダのハーグで記者団に、イランの核開発計画を「数十年遅らせた」と主張した。ヘグセス国防長官は報道について、政治的動機に基づくリーク情報である可能性を指摘。この初期評価が最高機密であったとし、連邦捜査局(FBI)と流出源について調査中であると述べた。
報じられた初期評価は、国防総省傘下の国防情報局(DIA)によるもので、CNNは、関係者の指摘として「イラン側が空爆前に濃縮ウランを別の施設に移動させていた」としている。ただ、同評価は予備的なものであり、今後、内容は変更され得るという。
一方、米ニュースサイト「アクシオス」は、イスラエルの諜報(ちょうほう)機関が、米国とイスラエルによる攻撃が、イランの核施設に「非常に重大な」損害を与えたとの分析を報じた。一部の当局者は、DIAによる初期評価の内容に当惑しているという。