【パリ安倍雅信】欧州連合(EU)のカラス外交安全保障上級代表(外相、前エストニア首相)は、仏日刊紙フィガロのインタビューで、シリアのアサド政権崩壊について「シリアの将来は希望に満ちているが、内戦、過激化、少数派への迫害、報復が起こらないことを確認する必要がある」と慎重な見方を示した。
一方、ロシアのウクライナ侵攻については「シナリオを描くことはできるが、ロシアのプーチン大統領は、和平交渉の席に着くことを望んでいないことを理解すべきだ」と述べ、和平は戦争を始めたプーチン氏がどのような出方を示すかに大きく懸かっているとの認識を示した。
一方、EU域内にいるシリア難民の帰還については、16日のEU外相会議で話し合う予定。自発的に帰還する難民が増えているが、「安全かどうか確証を得るのは時期尚早」と懸念を示した。
トランプ次期米政権がウクライナ支援を縮小した場合について「ウクライナ支援は慈善ではなく、われわれの安全への投資だ。…われわれはウクライナを支援し続けなければならない」と支援継続の意向を明らかにした。