【パリ安倍雅信】レバノン南部イスラエルとの国境沿いの監視に当たる国連レバノン暫定軍(UNIFIL)のアンドレア・テネンティ報道官は12日、同地域で2日間に5人が負傷、少なくとも2人はイスラエル軍の攻撃によるものとした上で、「非常に憂慮すべき」であり、「国連決議1701号、国際法の違反」と非難した。
UNIFILに派兵しているフランスのバロー外相は11日、駐仏イスラエル大使を召喚し、「重大な国際法違反」と非難、釈明を求めた。10日にUNIFILのインドネシア人2人が負傷しており、国際的な抗議の声が上がった。国連のグテレス事務総長は先に「国際人道法違反」と非難、英国は「遺憾」を表明したばかりだ。
決議1701号は、レバノン南部でのイスラエルとヒズボラの間の戦争を終結させるために2006年8月に採択された。
テネンティ報道官は、たとえ攻撃前にUNIFILに対して避難要請したとしても「移動させる権限をイスラエルは有していない」と非難、「わが軍はそこに留(とど)まることに決めた。それがわれわれの使命であり、この任務をわれわれに託したのは国連安全保障理事会だ」と指摘し、イスラエルを強く非難した。