イスラエル、「対テロ作戦」開始
【エルサレム森田貴裕】パレスチナ自治区ガザ北部のガザ市でイスラエル軍が攻撃を強めていることを受け、イスラム組織ハマスの最高指導者ハニヤ氏は8日、声明で「戦闘が激化すれば、交渉プロセスを振り出しにする」と警告した。
ハニヤ氏は仲介国に伝えたとし「交渉が決裂すればネタニヤフ首相と軍に全責任がある」とイスラエルをけん制した。
イスラエル軍は8日、ガザ市でハマスやイスラム聖戦のインフラなどを標的に「対テロ作戦」を開始したと発表。イスラエルは作戦前、攻撃対象の地域住民に退避を呼び掛け、人道支援の避難経路を確保した。軍によると、ガザ市での作戦でテロ組織のロケット弾発射拠点や地下トンネルなどを破壊した。
ガザ地区での戦闘休止と人質解放に向けた間接交渉では、ハマスがイスラエルに求めていた「恒久的停戦」を取り下げ、譲歩したとされる。ハマスは8日の別の声明で、「交渉では柔軟性や積極性を見せてきた」とし、ネタニヤフ氏が交渉を妨害し続けていると非難した。
報道によると、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は8日、カイロを訪れ、エジプトやイスラエルの代表と人質交渉を協議した。バーンズ氏は10日、カタールでも関係国とさらなる協議を行う予定だという。