
【エルサレム森田貴裕】イスラエル首相府は3日夜、パレスチナ自治区ガザでの停戦と人質解放を巡る交渉で、仲介国を通じてイスラム組織ハマスからイスラエル側の交渉を担当する対外情報機関モサドに対し新たな回答が示されたと発表した。イスラエルは内容を精査し、仲介国に返答するという。
一方、ハマスは3日、仲介国と「幾つかの案」を交換したとする声明を出し、最高指導者ハニヤ氏がカタールやエジプト、さらにトルコの当局者と停戦案について協議したことを明らかにした。
地元紙タイムズ・オブ・イスラエル(電子版)は、イスラエル高官の話として、イスラエルは第1段階の6週間の停戦後、ガザ地区でハマスとの戦闘を再開できるようにしたいが、ハマスは停戦持続の保証を求めていると指摘し、合意に至るまでにはまだ埋めるべき大きな溝があると報じた。米ネットメディア「アクシオス」は、イスラエル高官の発言を引用して、合意までには数週間かかる可能性が高いとの見通しを伝えた。
イスラエル軍は3日も、ガザ地区の南部や北部で作戦を続け、ハマスなど武装勢力の拠点50カ所以上を空爆した。また、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラのロケット弾攻撃を担当する部隊の司令官を殺害したと発表した。ヒズボラはイスラエル北部に向けて数百発のロケット弾を撃ち込み、攻撃の応酬が激しさを増している。イスラエルのガラント国防相は3日、「外交的解決を望むが、必要があれば、われわれは戦い方を知っている」と述べた。
また、イスラエル北部の都市カルミエルのショッピングモールで3日、刃物を持ったアラブ系イスラエル人の男がイスラエル兵2人を襲撃し、1人が死亡、1人が重傷を負った。襲撃者は兵士の発砲で死亡した。